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由宇 ?がいっぱい

「臣、ちょい待って?それなんか騙されてない?」 「何ば言うよっと?」 「いや、だって祖父江先生鬼だろ」 「由宇が勘違いしとるとよ?祖父江先生はぎゅっとしてくれたり、忙しいくてもずっと側におってくれたりばしよる先生たい」 「痛いこと平気でするし閉じこめるじゃん。怖いことばっかり言うし。いきなり指を2本もおしりに突っ込んでくるんだよ!いまだって」 「治療やけん仕方ばなかね?オレも先生の注射ば好かんと。でもちゃんと褒めてくれるけん。それにかっこよかとよ。渋か声やし」 同じ先生の話をしてるんだろうか? キラキラと祖父江先生の自慢話を目の前のやつはしてる。 分かった。臣、脱がされたことないんだ?きっとそうだ。 「ひょっとして下着脱ぐような検査とかしてない?」 「まさか。あれは痛かね」 「してんの!先生怖くないの?」 「怖かったら自分でこれ、よー抜かんたい」 鼻のチューブをくいくいっと臣は引っ張った。 すると すかさず牟呂が走ってきて 「待ったーっ。臣くんはやまるな」 「ん?あー。自己抜去しよると思ったと?悪かね」 「頼むよ。夜勤は1人だからさ」 「ごめんしゃい」 「臣っていたずらっこだったりする?」 「ちっちゃいときから入院ばしよったから。入院中は寂しかろ?けど、いたずらばするとみんなが来ると。ダメと思いつつもつい、やってしまうとよ。ただ、おいたがすぎるとさすがに祖父江先生も怒りよると。そうするとやっぱり由宇の言うように怖かね」 しみじみ臣は答えた 「由宇、ご飯が来とると。オレは少し眠たか」 「え?なんか…マイペースだね、臣」 「よく言われると」 うとうとする臣を 変なやつ と思いながら由宇は食事を始めた

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