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由宇 申し送りに参加する
おとなしく由宇が本を読んでいると、真尾含め日勤者が3人出勤してきた。
「おはようございます」
「周防、早いね?あれ由宇くん」
「8時00分で解放になりましてん。人恋しいみたいやからここで預かっとる最中です」
「そっか?じゃあ由宇くんは聞こえないふりしててね?牟呂、申し送りお願いします」
「はい。8月1日入退院なし転入1の総員7名で送ります。まず、由宇くんは今言ってたとおり8時00分解放でここにいます。ちょっと泣いてはいましたが特に問題行動なくいい子にしてました。
熱発している子が…」
送りが進み終盤に近づき
「最後に転入の臣くんは夕の経管栄養は食堂で実施でき落ち着いていました。以上」
「牟呂、おつかれさま。今日の予定だけどこれから臣くんの採血。受け持ちでいける?」
「祖父江先生はやらんのです?」
「臣くん本人の拒否が強いらしい。後は由宇くんが午後から処置3に。他にホルモン治療開始の子と貧血精査でマルクの子がいるから急変注意で。あと、熱発精査で排尿時膀胱尿道造影検査予定の子の検査送り出し時間13時30分だから遅れないように。じゃ、今日も1日よろしくおねがいします。牟呂はおつかれさま」
申し送りが終わり散り散りに職員が消え、真尾と2人になると由宇は真尾の側まで本を持って近づいた。
「どうした?由宇くん」
「隣にいていい?」
「いいけどつまんないかもだよ?」
「つまんなくてもいい。ね、マルクって何?」
「教えてあげてもいいけど怖くなっちゃうよ?」
「でも気になる」
「骨髄穿刺っていってね、うつ伏せになって腰の骨に針を刺して中を流れてる骨髄液っていうのを採取する検査だよ。今回は生検はないけどちょっと見た目がえぐいかな」
「そんな検査があるんだ…」
「大丈夫だよ。由宇くんには予定入ってないから」
「うわ、拷問。腰に針って怖すぎ…まだちんちんとかおしりのがマシじゃん。最初から穴開いてるから」
「そう言われればそうだね」
ルルルル♩
「ごめんね。もしもし真尾です。んー…どっちもそれぞれ担当が付き添いにはいきますけど、ええ。では後ほど」
「師長って大変そうだね?」
「そうだね、まだ5ヶ月目だから四苦八苦してるよ」
由宇は興味津々で人間観察を続けた
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