150 / 1150

瀬谷と処置3

30分ほどが立ち周防に脇を抱えられながら由宇がステーションに帰ってくると 「由宇くん、反応便あった?」 真尾が報告の要求を周防にした。 「ばっちり」 このやりとりに由宇がうつむき床にポタポタと涙をこぼし 「あかん…また泣いてもうた」 「恥ずかしかったかな?由宇くん。僕らは当たり前のことなんだけど君にしてみれば辛いよね」 真尾の言葉に余計に由宇は涙を流し、周防は由宇をベッドに座らせぎゅうっとハグをした。 しばらくして 抱擁している周防と由宇を見て、瀬谷は微笑みながら声をかけた。 「由宇?食事はとれた?」 泣いていた顔を見られたくなくて顔をゴシゴシと擦ると由宇は頷いた。 「ちょっとご機嫌ななめか?」 「瀬谷先生、お迎えおおきに」 「おつかれさまです。先生 周防が離れると瀬谷は手を差し出し、由宇は差し出された手を掴み立ちあがった 「うん…」 「どうした?」 「由宇くん、座薬差したから不機嫌なんですわ。ちょっと泣けたけどもう大丈夫やんな?」 周防が間に入り説明し、瀬谷は頷いた 「そうなのか?」 「うん。座薬痛かった…見られたのも恥ずかしいし、なんかせっかく食べたのに複雑」 「検査前の前処置だからすまんなぁ。処置3で浣腸をやったら先日涙目だったと聞いたからステーションでやってもらうことにしたんだが…それでもやっぱり泣いたか。まあまた考えるとして…じゃあ行ってきます」 「由宇くん行ってらっしゃい。頑張りや!」 「行ってらっしゃい」 周防と真尾に送り出され、瀬谷に手を引かれてとぼとぼと廊下を歩き処置室の一帯に来て由宇は足を止めた 「怖いか?」 「怖いよ…」 瀬谷はしばらく考えポケットから小さな黄色い包みを取り出し袋を破り、由宇の前に差し出した 「由宇、あーん」 「?」 「口開けて?」 「あ」 おそるおそる口を開けると酸っぱ苦い味のする液体を飲まされた 「うぇ…何?」 瀬谷はゴミクズをポケットにしまい由宇の肩を支えた。 「途中眠くなったら寝ていい。支えるから歩いて」 「ん…」 処置3に2人で入ると祖父江が腕を組んでベッドに腰かけ待機していた。 すでにぐったりしている由宇に祖父江は驚き 「瀬谷、どうした?それ」 「これを飲ませた」 ポケットから残骸を出し見せると、由宇をベッドの中央へ誘導し、隣に瀬谷は座った 「鎮静かけてきたのか?」 「不安が強くてね、いちばん小さいものだから大丈夫だとは思うが」 「にしても…そんな強めのものを…この子、排尿障害だろう?腎臓は大丈夫なのか?」 「腎機能は問題ないよ」 「さあ由宇、おいで。抱っこしてあげよう」 瀬谷は靴を脱ぎ、点滴スタンドの位置を調整しベッドに座ると由宇の両脇に手を入れた 「え…先生?」 「俺の肩に顎を乗せていいから抱きついてごらん」 「うん」 「祖父江いけそうか?」 「ああ。問題ない」 「由宇、下着を下げるが大丈夫かい?」 「うん」 祖父江がそっと下げ 「足を片方ずつ浮かして?うん、そう上手だ」 由宇の下着を取り、カゴにしまった 「日が暮れそうだな…」 「祖父江」 「悪い」 祖父江の小さな呟きを瀬谷がとがめると、祖父江は即座に謝った 「由宇、今からやることは分かってるとは思うけれど…ちょっとつらい検査かもしれない。俺の呼吸に合わせてしがみついていなさい。いいね?」 「分かった」 「じゃあ、始める」 「ぁんんっ…っ」 祖父江は手際よくローションを手にまとわせまずは人差し指を由宇の後穴におさめた

ともだちにシェアしよう!