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由宇 怖がり

由宇が目覚めると、看護師が行ったり来たりと忙しなく動いているのが見え、ボーとしながら由宇は考えごとをした。 ここ…ステーション? そっか。検査終わったんだ 痛かったな… おしりは挿れるとこじゃないっつの… なんだかんだで瀬谷先生も鬼だし 「先輩、押さえ応援呼ばれたんやけど」 「おっと。やっぱり暴れなさったか。とりあえず行くぞ」 一足先に先輩看護師がステーションから姿を消し、周防は邪魔になるものをポケットにしまい、 「そないに暴れてるん知ってて行くん勇気いるわ…って、お、由宇くん目覚めたんやな?ちょっとヘルプ行ってくるで待っとってな?」 周防は由宇に笑顔を向けてヘルプに向かった。 しばらくするとズタボロになっている周防ともう1人の看護師が周防をなだめながら帰ってきた 「え?」 いったい何が? 看護師があんなになるほど暴れるなんかってなんだ? 「あー…あかん。先輩、あの子も爪が長なっとるわ」 「あそこまで暴れると思わなかったからな。頭側付いてたら俺がやられてたはずだから気にすんな。まあ後は受け持ちがなんとかするだろう。傷、処置してやるから来な」 「すんません」 処置をされている周防を見て由宇は口を開いた。 「周防さん、大丈夫?」 「ん?大丈夫やで?」 「何かあった?」 「なんでもないで?」 周防は由宇を不安にさせないように笑った 「怖い」 「えーなんで由宇くんが怖がるん?由宇くんには関係ない検査やから不安がらんでええよ?」 「でもなんか怖い」 「泣き虫なだけやなく怖がりやったん?そんなら側についとったらなあかんな?ねー先輩」 「あー…分かった。後、残務やっとくからオーバーテーブル持ってきてここで記録してな」 「やった。先輩だいすき」 満面の笑みを浮かべ周防は八重歯を見せたが 「男に好きって言われてもなぁ…」 複雑な顔を先輩看護師はした。 周防がカルテ記入している間、由宇は周防を見つめた 「どないした?」 「周防さん…セックスって痛い?」 ずるっと周防はオーバーテーブルに伏せた 「なんやねん、いきなり!」 「だって…その…挿れるんだろ?ちんちん」 「そりゃ…ま、まあな」 「指だけであんなに痛いのにどうしてやれる?怖くない?」 「痛いばっかりやないの。ちゃんと気持ちよくなれるとこなんやで?てか、聞いてどうするん?自分、男が好きと違うやろ?」 「まだ分からない。どっちも好きになったことないし、なんか怖い」 「怖がりやなぁ」 「知らないってことは怖いよ」 「んー…そのうち分かる。今は治療のことだけ考えとり?」 「分かった」 腑におちない由宇だったが、周防が乱れるさまを想像して由宇は顔を赤くした なんかエッチだ…

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