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臣、体調不良

「臣、大丈夫?吐いたって?」 「大丈夫やけん。大げさ。モニターまで付ける必要なかろうもん」 「ちょっとお腹触らせて?」 「よかよ?はい」 臣がお腹を出すと祖父江は臣の腹を何度か触り 「お通じは?」 「出ようと」 「たくさんか?」 「んー…分からんばい」 首にかけていた聴診器を耳につけ祖父江は聴診し 「あ〜…まずい」 祖父江は電話をとり 「透視室空いてる?嫌な音聞こえるんだよね。おそらくイレウス。摂食障害ですでにNG入ってるから減圧はできてると思うけど…状況によっちゃそのままイレウスチューブ挿れるから。準備よろしく」 「臣、透視室連れてくから来て。介助入れるか?連れていくから透視室集合で」 訳の分からない言葉が次々と聞こえ、間髪入れずに2件目の電話をしだす祖父江を臣は不安そうに見上げた 「先生ぇ」 「大丈夫」 「いったん、モニター外すな?」 祖父江はモニターを外し、臣を抱きあげて本院へと向かった 透視室とやらに入るとものものしい雰囲気がただよっていた。 一足先についていた周防が黄色いエプロンを差し出し、周防自身もピンクのエプロンを付けた 「先生プロテクターお願いします」 「臣、ちょっと硬いけどここに寝るぞ?」 背の硬いベッドに寝かされ臣は不安に泣きそうになり 「怖かよ」 「臣くん、いまからちょっと点滴するな?」 「え?点滴なんで?何?何が起こっとるん?」 「まだ診てみんと分からんけど、腸の動きが悪なって機能しとらんぽい」 「大丈夫。軽いやつなら今入ってる鼻ので十分 圧が下げれる」 「そうじゃなかったらどうなると?」 「心配しなくていい」 「んっ痛いっ」 「堪忍。ええで、先生血管確保OK」 〝透視入りまーす〝 技師の声が聞こえ、大型画面に映像が映った 「境界見えるな。確定」 「どうします?」 「イレウスチューブ挿れるのが早いけど、だいぶきついからなぁ…本人の負担考えて2日はNGを自然開放して様子みる。ちょっと消化器の先生に相談もしたいから周防、車椅子で送ってやって?指示はまた書きにあがる」 「了解です。ほんなら帰ろうな?」 「うん。終わり?」 「とりあえずな?」 臣は周防に連れられ病棟へと帰っていった

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