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祖父江対面抱っこ

真白と2人きりになると祖父江は真白を膝の上に座らせた 「わ。先生、重いよっ?」 「大丈夫だ。軽い」 「えと…なんで抱っこ?」 「いいから抱かれてなさい」 意味が分からないまま真白は祖父江に抱かれ、腰元を撫でられるとビクッと体をはねさせた 「まだ痛いか?」 「ううん。びっくりしたの」 「穿刺が頑張れたんだ。生検も乗り越えれるよ。真白」 「痛かったよ…あれ」 「今回のは辛いのは麻酔だけ。後は音が怖いかもしれないな?希望があればBGMを流すがどうする?」 「BGMって…寝てるうちに終わってほしい」 「全身麻酔はそれなりにリスクが伴うから厳しいかな」 「ちゃんとやれるようにみんなでサポートするから気にするな?な?」 座り心地悪そうにしていた真白だったが、しばらくすると慣れてきて祖父江に自分から抱きついた。 「先生、おとーさんみたい。心臓の音する」 「お父さん好きか?」 「うん。好き。いま55歳なんだけどいっぱい遊んでくれたんだ」 「55?ってことは…43で?随分晩婚だな」 「おとーさん、もしかしてそれが原因で真白が病気かもって言ってたけど、そんなことある?」 「関係ない…とは思うが?お父さんに会えなくて寂しいか?」 「ちょっとね」 「早く、退院できるといいな?」 「うん。先生が抱っこしてくれたら頑張って検査室いけるかも」 「分かった。そうしよう。病室まで送るか?」 「ううん、大丈夫。ひとりで帰れる」 真白は祖父江からそっと降り、扉のところでペコっと頭を下げて小走りで病室に向かった。

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