180 / 1150

祖父江対面抱っこ

真白と2人きりになると祖父江は真白を膝の上に座らせた 「わ。先生、重いよっ?」 「大丈夫だ。軽い」 「えと…なんで抱っこ?」 「いいから抱かれてなさい」 意味が分からないまま真白は祖父江に抱かれ、腰元を撫でられるとビクッと体をはねさせた 「まだ痛いか?」 「ううん。びっくりしたの」 「穿刺が頑張れたんだ。生検も乗り越えれるよ。真白」 「痛かったよ…あれ」 「今回のは辛いのは麻酔だけ。後は音が怖いかもしれないな?希望があればBGMを流すがどうする?」 「BGMって…」 「寝てるうちに終わってほしい」 「全身麻酔はそれなりにリスクが伴うから厳しいかな」 「ちゃんとやれるようにみんなでサポートするから気にするな?な?」 座り心地悪そうにしていた真白だったが、しばらくすると慣れてきて祖父江に自分から抱きついた。 「先生、おとーさんみたい。心臓の音する」 「お父さん好きか?」 「うん。好き。いま55歳なんだけどいっぱい遊んでくれたんだ」 「55?ってことは…43で?随分晩婚だな」 「おとーさん、もしかしてそれが原因で真白が病気かもって言ってたけど、そんなことある?」 「関係ない…とは思うが?お父さんに会えなくて寂しいか?」 「ちょっとね」 「早く、退院できるといいな?」 「うん。先生が抱っこしてくれたら頑張って検査室いけるかも」 「分かった。そうしよう。病室まで送るか?」 「ううん、大丈夫。ひとりで帰れる」 真白は祖父江からそっと降り、扉のところでペコっと頭を下げて小走りで病室に向かった。

ともだちにシェアしよう!