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約束の18時5分前…

真尾は終業後、祖父江に一昨日一方的に告げた駅前へと向かい、駅前に着くと腕時計を見 「5時55分…先生、来てないか。ま、ちゃんと約束したわけじゃないから来ないからってどうってこともないけど…とりあえず時間までは待つか」 ひとり呟きながら柱にもたれ、時折あたりを見渡す動作をし祖父江を待った。 その頃、祖父江はー 「Turn right here and turn right at the end to reach your destination.」 (ここを右に曲がって、突き当たりをさらに右に曲がると目的地ですよ) 通りがかりの他国の高齢者に道案内をしていた。 「や…やばい」 腕時計を見ると約束の時刻を数分まわっていて祖父江は焦り小走りで通りを渡っていた。 そして、柱にもたれ目を瞑っている真尾を見つけるなり走った。 「宵…っ」 声に気づき目を開けると必死の形相の祖父江に真尾は驚き、咄嗟に柱から離れて後退った。 「!」 そんなに必死に走らなくても! 「ま、待って。宵!時間通り来れずすまない」 「…」 「言い訳するようだが、困っている外国人がいて道案内してたんだ」 「で?」 「あ、いや…だから」 「行きましょうか?」 「え?宵…怒ってない?」 「来ると思わなかったので…。驚いてる」 「来ると思わなかった…って。なのにおまえも来たのか?」 矛盾した言葉に祖父江は疑問に思い尋ねた。 「もしかして来てたら実継さんはずっと待ってそうなんだもの。時間すれすれなのに外国の人に道案内しちゃうような人だし」 「たしかに待ってるかもな」 「でしょ?そしたら夢見が悪いもの。じゃ、行きましょ」 真尾は、歩きだした

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