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高血圧

「瀬谷先生…寒い。あっためて…おねがい」 潤んだ瞳で震えながら由宇は瀬谷を見つめた。 なんかよく分からないけど頭ポーっとするし、ぞくぞくするし 先生がキラキラ綺麗に見える 「ゆ…由宇ぅ…?大人をからかっちゃ…。って」 一瞬、理性が揺らいだが由宇の手足を触り 「冷た…悪寒か?」 「先生ぇキラキラなんかカッコいいー。俺たぶん先生好きなんだぁ」 「何言って…はっ!牟呂ーっおーい」 大声にナースコールが連動して繋がり 〝どうしましたー?先生〝 「俺がキラキラに見えるらしい」 〝あーはいはい。ノロケですね。コール使うことじゃ…っえ、ちょ、キラキラってまさか!すぐいきます〝 「由宇、そのまま頭高くしてろよ?」 「先生っ血圧計の方巻いて!由宇くんっモニター貼るよ」 牟呂はモニターの機械を片手で押し、もう片手に水のコップを持ち部屋に入るとテキパキと動き始めた。 由宇の前を器用に片手ではだけさせてシールを貼った 「牟呂さんエッチっ」 「牟呂、降圧剤を…」 「一応すでに降圧剤持ってきましたけど、これでいいです?」 ポケットから出し手のひらに乗せた薬の包みを見せた 「さすがだ。ちょっと待って」 「いったぁーい。腕のぎゅーってなりすぎっ」 「由宇、じっとして!上がるっ」 「わーっまた、ぎゅーきた!」 「180!?」 「牟呂、それで大丈夫だ飲ませて!いったんコップよこせ」 「はい。由宇くん、お薬飲むよー」 「やぁっっ」 嫌がる由宇の口の中に牟呂は薬を押し込み 「噛まずにゴックンして」 「由宇ー水飲むぞ」 「んっんーっ」 「ほら。こぼれる。ゴックン」 「ん…んく…っ」 「飲んだ?お口あーして」 「いやっ!何飲ませた!!」 由宇は興奮して血圧計を剥がして投げた 「あっちょ、こらっ」 「これもっ」 モニターのシールを剥がし、きぃっと由宇はにらみつけた 「人格変わってるし」 「よってたかってひどいしっ!変なもん無理矢理飲ませて!」 「悪かった。由宇。先生、つい焦ってしまった。それくらいよくない状況だった」 「どういうこと?納得いく説明して」 「熱のせいで血圧がかなり上昇していた。キラキラチカチカってなるのが特徴な?納得できた?」 「できん」 「頭の中の血管切れてたかもよ?」 牟呂が口を挟むと由宇はようやく納得しておとなしくなった 「ごめんなさい」

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