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由宇 ちょっと幸せな朝

明け方目が覚めて、目を開けると見えた光景に由宇はむず痒さを覚え顔をニヤつかせポフっと枕にその顔を埋めて隠した。 誰も見てないけどなんか…なんか照れる。 何時間もの間付き添っててくれたなんて! 本当に帰らないでいてくれたんだ! ちょっと幸せかも、、 なんか嬉しい 椅子に座って腕組みをし、眠る瀬谷先生。 ちょっとやそっとじゃできることじゃないだろうにやるじゃん 起きていたらハイタッチをせがむ案件だよ、これ。 将来とかよくわからないけど、もし臣の言うように本当に医者になれたら… 瀬谷先生みたいになりたいな 注射は祖父江先生のが上だったけど、目標は?って聞かれたら絶対瀬谷先生! 枕から顔を離しポーっと瀬谷を眺めていると、瀬谷が目を開けた 「起きたのか?由宇」 「うん。起きた」 「そっか。気分はどうだい?」 「分かんない。悪くはないけど…まだ熱っぽいかも」 「だな。顔が赤い」 「まだ、起床まで早いからゴロゴロしていなさい。そろそろ行くから」 「分かった。ありがとう。また来てね!行ってらっしゃい」 「また行ってらっしゃいか?」 「うん。バイバイだとなんか切ないじゃん」 「由宇らしいな。明日は休みで病棟にはいるけどいないからいい子にね?」 「それってお休み?」 「そう、休みという名の接待だな」 聞きなれない言葉に由宇はポカンとした。 「何それ?」 「製薬会社が来て勉強会なんだよ」 「それがなんで接待?」 「まあその後いろいろな。複雑なんだよ、社会人ってのは」 「なんかよく分かんないけど頑張れ」 「ありがとう。じゃあ行ってきます」 瀬谷は由宇にならってまたなと言わず、行ってきますと手を振り、椅子を小脇に抱えて保護室から退室した

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