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真尾 出勤

まだ由宇の急変を知らない真尾は、出勤して早々モニター画面とテレビモニターを見て驚いた モニター下に付けられた名札はいずれも〝佐久間由宇〝 「これは…いったい」 「あ、おはようございます、師長」 「夕べ何が起きたの?牟呂くん」 「由宇くん、尿閉起こして嘔吐したんです。で、膀胱にカテーテル留置したんですけど、その後に高血圧起こしてちょっとあぶない感じだったんで一時的に保護観察扱いに」 「なるほど。で、他の子たちは?」 「臣くんはまだイレウスが落ち着かない感じですけど、他の子たちはよく寝ていい子でしたよ」 「まーちゃんは?」 「朝方、今日のことを伝えたんだけど、予想通りご機嫌斜めです」 「やっぱりか…夜に伝えなくてよかったね。牟呂くん正解」 真尾は由宇と真白をはじめ他の患者カルテにパラパラと目を通し 「んー…由宇くんは様子観察、密にお願いね。 臣くん排便は?」 「夕べはなかったです」 「じゃ、周防くん、指示を先生にもらってね。もしかしてイレウスチューブになるかもしれないから」 「了解です。臣くんもさすがにアレはビビるやろうからできたら避けたいけど、先生がどう判断するかやなぁ」 「で、まーちゃんだけど…カルテによるとまずは、鎮静剤指示出てるんだよ。それも筋注…厳しいかな。とりあえず処置室連れてこれる?」 「嘔吐対策で絶飲食にしたんで多少暴れても大丈夫じゃないです?」 「じゃ、無事打ったら本人との約束どおり祖父江先生にコールしようか。とりあえずそれぞれの持ち場につこう。牟呂くん夜勤おつかれさま。日勤さんは今日も1日よろしくお願いします」 真尾の合図で看護師たちはそれぞれの目的地へと向かった。

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