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鬼 2人
「生きてるかい?由宇」
何かを臣側の机の上に置いて、瀬谷は由宇の顔をのぞきこんだ
「瀬谷先生!」
突然、瀬谷が現れて由宇は驚き体を起こした。
「あー熱もあるんだし、まだそんなに勢いよく起きてくれるな」
「先生休みなんじゃ」
「院内にはいるって言ったと思うんだけど来ちゃ嫌だったかい?」
「逆。違うよ!嬉しい」
ニカニカと笑う由宇を目の当たりにして、祖父江はむとした表情を浮かべ
「俺に対する態度とだいぶ違うな」
「わ…先生もいたんだ」
「当番だと言ったが?熱で忘れたか?」
「そういう言い方するから跳ね返るんだよ、祖父江」
「う…いや、つい。なんか…いじめたくなるんだよ、この子」
「そう?可愛がってあげてよ。ところで、由宇?歯磨きとお下の洗浄嫌がってるって?」
「え…それはぁ」
「よくないな…と、その前に。臣?注射嫌なのかい?いま、ずいぶん痛そうに見えるが…祖父江に打ってもらおうか?」
「や…です」
「うんそうか…じゃあ失礼するよ。よっと」
「…ぁ…や」
嫌がる臣を瀬谷はひょいっとうつ伏せにし、頭上側に立つとそのまま覆いかぶさり臣の両手を握って動きを封じ、それと同時に祖父江がカーテンを閉め臣の足に乗り裾をめくるとさっと臀部の消毒をし、机の上に置いてあった長い注射を刺した
「いたーい。いやーっ」
聞こえる悲鳴に由宇は身震いした
「後、少し。体が薬でびっくりしないようにゆっくり注入してるから頑張れ」
「祖父江先生やーっぁーん」
「俺もやだよ」
「押さえつけてるやるこっちも辛いんだけど…痛がる姿を見るのはもっと辛いからね。鬼にもならないと。なぁ祖父江」
「その通り。入った。次、由宇行くか」
「いやいい。泣いてるしこの子のケア頼めるかい?」
「おいおい1人でやれるか?暴れて誤嚥するとまずいぞ」
「大丈夫。嫌でも口を開けさせるから」
カーテンが開き、由宇は鬼が2人いる…
そう思った
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