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真白パパ
由宇と臣の診察が無事に終わり、瀬谷がリカバリールームから退室したころステーションに訪問者が現れた。
「いつも真白がお世話になっています」
「あ、望月 さんお呼び立てして申し訳ございません。師長の真尾です。真白くん喜びますよ。来ていただいてありがとうございます」
「いえ。仕事仕事でなかなか来れずで、すみませんでした」
望月の姿を見て瀬谷が近づき
「よく来てくれたね、望月くん」
望月は頭を下げた。
「おつかれさまです、瀬谷先生。先日はありがとうございました。また改めてご挨拶に伺います」
「面会、感謝するよ」
「いえ、感謝だなんてそんな!いつもみなさまには良くしていただいて…こちらこそ感謝です」
「親子2人でゆっくりしていくといい」
「先生の言う通りです、望月さん。僕らも彼らが寂しくないようには気をつかってるつもりですけどやっぱり親御さんには勝てないですから」
「はい、それじゃ会ってきます」
「今の人、まーちゃんのおとんなん?師長」
「そ。真白パパだよ」
「めっちゃスーツ似合う人やったなぁ。ダンディーって感じ」
「MRさんだからこの間来てはいらしたみたいだけど、面会時間過ぎちゃってたそうでね」
「会が長引いてね。融通をきかしてあげればよかったが…」
「ルールはルールですから。もちろん緊急時は別ですけど」
「仕方ないことだが心苦しいな。じゃ、外来へ行くが何かあれば連絡を頼むよ。夕方にはまた来る」
「はい、おつかれさまです」
・
・
コンコンー
「真白」
「おとーさん」
真白はベッドから飛びおりて走り父に抱きついた
「おっと走るなよ」
「まーちゃん嬉しい…っ」
ニコニコと真白は笑みを浮かべて父の胸に顔を埋めた
そんな真白を優しい表情で見、父は真白を抱き抱えた
「お…ちょこーっとだけ重くなったかな?」
「うん」
「ベッドに戻ろうな」
父は真白をベッドに座らせ、ベッド脇の椅子に座った
「おとーさん、まーちゃんいつ退院できるのかなぁ」
「え…そ、それは…とーさんにも分かんないな。ごめんな?とーさんも帰らせてあげたいけどこればっかりは…」
「へへ。大丈夫。ここの人みんな優しいからまーちゃん寂しくないよ?だからおとーさん笑って?」
「ああ」
「おとーさんだぁいすき」
「真白。とーさんもだぁいすきだよ。だからもう少し…もう少しだけ辛抱できるか?」
「うん」
「いい子だ」
2人は見合って笑ったー
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