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臣 恥ずかしか…

「スヤスヤ寝てるなぁ臣くんも由宇くんも」 気持ち良さそうに眠る2人を見て微笑みながらステーションから持ってきたハカリを台に置くと由宇の尿の袋の中身を破棄した。 由宇の側に寄ると呼吸音がゴロついていて呟き 「ちょっといやな呼吸してるな…」 奈南は次に臣の近くへと寄った 「起こしたらごめんよー」 そーっと裾をずらしおむつを開けると、包んでいたパッドを外した。 出てるー でも、少ない? 台の上のハカリに乗せると 「…60g。んー…何時間だ?」 15時には終わってたはず…ってことは 「7時間。やっぱり少ない…」 臣の下腹部に手を置き 「…起きちゃうだろうけどごめんね、押す」 「…んんぅ…ぅえ?」 「ごめんね、起こしたね」 「や…」 「痛い?」 「…うん…」 「ちょっと痛いけど押してるこの手を跳ね返してみて?いくよ」 「んーぅ」 チロチロチロ… 「おしっこ出たら管しなくて大丈夫だから。一緒に頑張ろうね。はい、もう一回」 「や…恥ずかしか…ぁう」 チロチロチロー 「OK。出てよかった。パッド交換するね」 テキパキと元通りに整えられていき、奈南は汚れたパッドをハカリに乗せた 「ちょっと待っててねー。150…合わせて210。いいね。管回避できたよ」 後片付けまで済ませると 「お待たせ。いい子だったね」 「恥ずかしかったとよ」 「管よりいいでしょ?さあお眠り」 「トントンして欲しか…だめ?」 「いいよ、してあげる」 椅子に座り、奈南は再び臣が寝付くまでトントンと背を優しく叩き眠りを促した。 臣が眠りにつくと奈南は、ステーションの椅子に座り看護記録を書き 「報告…あげるべきかな」 電話を取り祖父江に繋ぐと 〝どうした?〝 「報告です。臣くん排尿確認したんですけど60gで腹圧かけて+150gでした」 〝出たことは出たんだな〝 「はい」 〝分かった。報告ありがとう。次の確認は何時?〝 「3時…ですかね。0時いります?」 〝いや、いい。睡眠時間の確保もしたい〝 「分かりました」 〝由宇は?〝 「由宇くんは聴診しなくても分かるくらい呼吸音が…」 〝状態変わるようならすぐ連絡くれ〝 「はい。じゃあ失礼します」 2人の不安は数時間後的中するーー

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