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落ち着かない2人

「そうか…あの後そんなことが。ご苦労だったな。祖父江」 「ああ、無事に終われてよかった」 「それで?3時と6時は?」 「0と100だ。で3時は見ただけにしたらしいが6時は腹圧かけて+で120でてる」 「…よくないな。イレウスチューブはさすがに一晩じゃ取れないだろ?」 「まだ無理だな」 「腹圧かけて出るならいいだろうが…よく診ておくよ。由宇の方はかなり悪化したな」 「採血指示出してあるからそろそろ結果が出るだろう」 「ゼプにまではならないだろうが…不安だな」 「おいおい敗血症って…言霊というものがある。言ってくれるな。俺にすがるくらい弱ってるんだから。真白もまだ油断ならないし」 「だな。祖父江お疲れ」 「ありがとう今日はもう帰るよ。久々になんだか疲れた」 「よく休んでくれ」 「お先に」 祖父江が退勤してしばらくすると検査部から電話が来た 「もしもし」 〝おはようございます。佐久間由宇さんですが取り急ぎ連絡します。CRP18です〝 「18!?」 電話が切れると瀬谷は 「おいおい…予想以上だ」 抗生剤投与が早くてよかった。 見逃していたら…ぞっとする しかし…一度止めて、原因菌を突き止めなきゃいかんな 泣くだろうが仕方ない 瀬谷は医局から出、リカバリールームを目指した。 ステーションに入るとちょうど検査データが届いたところで真尾が真剣な表情をしていた 「先生!いまご連絡差し上げるとこでした」 「検査部から聞いたよ。いまどう?」 「由宇くん酸素5リットルでなんとか92以上キープできてます。ただ興奮すると下がりますね。臣くんは夕べと大差無いんですが…」 「由宇の抗生剤を一時的に止めるぞ。明後日の早朝、血液培養する」 「え…うわ、俺明けやねんけど。てか、点滴中でできるんです?」 「手背から行こう」 「無理とちゃいます?あれって2回も刺さないかんじゃないですか。しかも結構な量。押さえるん嫌やなぁ」 「嫌なのは俺も一緒。だが、無理でもやらないと…炎症反応が高すぎる」 「分っかりました…あー憂鬱や」 「由宇にはギリギリまで言わないでくれるかい?」 「言いません」 「じゃあ頼むよ」 瀬谷はリカバリールームへと向かった

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