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泣いてもいーい?

「師長さん…あのね、んと」 うまく言葉にできず、しどろもどろになりながら真白はひとつずつ話した。 「ん?」 「まーちゃん、この間…この間さ」 「この間どうしたのかな?」 真尾はゆったりとした態度で真白が言葉をつむぐのを待ち、椅子に座った 「背中の注射のときなんだけど…」 「うん。痛かったのに頑張ったね」 「頑張った。でも、おしっこもって泣いちゃったでしょ?」 「うん。そんなのは大丈夫だよ?もしかして気にしちゃった?」 「でもね、あん時は泣いちゃったけどまーちゃんいっつもは泣くのガマンしてるの」 「まーちゃん…」 目を潤ませながら話す真白を見て、真尾もだんだんと目を潤ませていき 「それでね、辛いときは笑うようにしてるの」 「そっか強いね。えらいよ」 「ううん。えらくない。えらくないよ?だってもうガマンできないの」 「まーちゃん…」 「もう泣いてもいーい?泣いていいかなぁ」 「まーちゃん…ごめん。…ぐす」 真尾の方が先に堪えきれずに泣きだした なんていい子なんだろう… 早く治してあげたい。 よく頑張ったねって褒めてあげたい。 僕も頑張ろう 「?」 「いいよ…っ泣いていい…我慢しなくていいんだよ?」 「師長さんっ。ひ…ひく…っ、ふ…ぅうわぁーーん」 真白は、真尾の前で泣きわめいた。 真尾も真白に共感し、静かに泣いた 寄り添う看護… やれてたつもりだったけど まだまだだ 自分の不甲斐なさを真尾は悔やみながら、真白を優しく抱きしめ、その背中に手を当て撫でた。 真白は一緒に泣いてくれる真尾に気を許し、泣き続けた。 泣いてもいいんだ ガマンしなくていいんだ まーちゃん…なんだか幸せな気持ち、、 真尾は真白が泣き止むまで側に寄り添ったー

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