307 / 1208
輸血
「知らない人の血を入れるの?」
「うん、そうだよ」
朝の検温時に真白と牟呂は向かいあって座り、牟呂は真白に輸血の説明をしていた。
「怖いな…まーちゃんやれるかな」
「大丈夫だよ」
「んー…分かった怖いけど、頑張ってみる」
「えらい!輸血中はずっと看護師が側に付いているからね?」
「それなら安心だね」
「そう、安心。それでね…まーちゃん、採血と輸血とでね2回針を刺さなきゃいけないんだけど、やれる?」
「2回…も」
「いやだ?」
「でも逃げれないもんね。まーちゃんやれるよ」
「えらいな。採血、どの看護師にやってもらう?輸血は祖父江先生なんだけど」
「選ぶの?」
「そう」
「先生でもいいの?」
「先生?」
「採血も祖父江先生がいい。おとーさんみたいで安心する」
「おとーさんか。ははっ分かった。お願いしてみるよ」
真白のおとーさん発言に牟呂は笑い
「ありがとう。しーちゃんすき」
「俺も好きだよ。早くよくなるといいね?」
「しーちゃん、輸血痛い?」
「どうかな?やったことないから分かんないや」
「だよね、、ドキドキする」
「午前中に採血して、午後に輸血ね?」
「はーい」
機嫌の良さそうな真白に牟呂はほっと胸を撫でおろし、真白に手を振りステーションへと戻った。
ともだちにシェアしよう!