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周防の夜勤2

「まーちゃんっ疲れとーへん?」 「ん…」 「あら?もう寝とん?お疲れちゃんかぁ。でも夜、寝れんくなるで?まーちゃん!」 「…んや…まーちゃんおねむ」 「夕飯には起きりぃな?ええ」 「…」 無言で真白は頷いた。 無理も無いか… 重度の貧血でただでさえしんどいだろうに、その上マルクのすぐ後であんなにはしゃいどったし 「寝たまんまでええからバイタル測るで」 一通り測ると周防は体温計をにらみつけ 「7度3分…眠いからか?消灯ん時もっかい測ろうな?まーちゃん」 「ん」 真白の後、他の子の部屋にもまわり周防は頭を掻いた 「なんやろな…いつもと違うことしたからやろか?なんかみんな変だ。まあええわ。早いとこ記録しとこ…」 周防は隙間時間にカルテ記入を進め、時折由宇と臣のモニターに目を配った ティンコンティンコンー 「へ?由宇くんアラーム!?心電図は…良さそうやけど… tachycardia(タキカルディア)…ってことは頻脈やん」 周防はリカバリールームへと走り、同時に電話を耳にあてた 「先生?由宇くん頻脈でてます。いま120」 ガラっ 「コホ…ゼロ…ゴホ…っ」 「あー痰が絡んで!」 〝すぐ行く〝 「頼んます。由宇くんーどうしたん?急に苦しなってきたなぁ」 「は…ぁ…ごほ…も、やだ」 「3日目やもんな?心折れるやろな」 話しながら周防は吸引の準備をした。 シュー 音に気づいた由宇が、怯え 首を横に振った 「や……や…ぃ…やだ」 「由宇くん、お口あーん」 口の前にチューブを突きつけられて由宇は口を固く閉じた 「んーっ」 「喉に溜まったやつ吸ったるから。ちょーっとだけお口開けぇ?なぁ?うー…絶対嫌われるで使いたないんやけど…」 周防は救急カートから指型のシリコンでできた何かを取り出し 「それ…何」 由宇が喋った隙をつき、シリコンを由宇の口の中に突っ込んだ 「お口閉じれんくする道具やねん。これ穴が空いとってな…」 シリコンの中央の穴にチューブを入れていき、由宇の口内を周防は吸った 「んーー…っ」 「こうやって吸えるねん」 ガラー 扉が開き、瀬谷が現れた。 姿を見て由宇は普段なら喜んだだろうがこの時ばかりは恐れ、体を震わせた 「よかったなぁ、由宇くん。先生来てくれたで?」 違う… 違う…っ 吸われるのやだっ 涙ぐみ威嚇したが周防に想いは届かなかったー

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