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真白 パニック

「由宇くん、痛かったなぁ、怖かったなぁ、もう終わったで泣かんでええよ」 「足…やだ」 「やらんて」 「でも…いつか…絶対やんじゃん」 「そ…それは…知らんけど」 グズる由宇をあやしている最中、周防の電話が鳴った 「はい」 〝周防、由宇の血は止まったかい?〝 「えと…そうですね。どうされたんです?」 〝うん。いま真白のとこにいるんだが…おーっとと〝 「どないしたんです?てかなんで真白くん」 〝中央検査部からの帰りに真白の部屋から物音がしてね。よしよし。怖くない…怯えなくていいから診せてくれるかい?〝 「えと…由宇くん、止血確認したんでそっち向かいます」 周防は電話を切ると、由宇の体をぎゅぅっ、と抱きしめた 「由宇くんとにかく偉かった!俺はちょっと野暮用や。また来るでな?」 「分かった」 周防はベッドから降りるとカーテンを開け 「臣くんもまた後で」 「うん」 臣に声をかけ、救急カートを押し小走りで真白の部屋と向かった 「ぁーっ!いやぁあ怖いっ怖いー」 部屋に入ると、狂乱状態の真白が叫んでいた 「な?どうなってん?てか、それ意識あります?」 「たぶん無い。転けたのか新しいキズもあるし、縫合したところから出血しているから診たいんだけど…この暴れようだ」 「せん妄?」 「どちらかと言うと夜驚症だろうな」 「え…中学になってもなるん?」 「祖父江のが詳しいからまた習うといい」 「どうしたら?」 「これ以上ケガをしないように見守るしかないが、とりあえず手当をしたいな」 「了解ー。先生、このまま採血されます?」 「危険だから少し様子をみよう」 内心舌打ちをした周防だった。 まーちゃんの採血… この調子やと由宇くん以上にたいへんかもしれん 憂鬱や、、

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