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臣 頑張ったね2

「大丈夫?臣」 「う…うん。ちょっと…?不安」 「えと、がんばれ?ごめんそれしか言えない」 由宇は臣を励ました。 「臣くんそろそろいくよ」 行くよ。と言いつつ真尾はカーテンを閉めた 「宵…ちゃん?」 「ちょっと体勢整えるね?」 「うん」 真尾は臣の体勢を整え、ベッドに座り臣の腰元を触った 「こう?」 「そう。そのまま楽にしててね」 カーテンがそっと開き奈南が入ってくると、奈南はベッドに片膝をつき 「臣くん、ごめんね。緊張をとるお薬打つね」 「え?いっ…た…や、やめて。宵ちゃん離して…っ奈南さ…」 突然の注射に臣はパニックになった 「やぁって!!」 「思った以上に暴れるな…ごめん」 真尾は軽い押さえから本格的な押さえに変え、体重をかけた 「詩乃っまだかかる?」 「もう終わる!終わったっでも針、まだだから!」 「分かってる!」 完全に針が抜けてから真尾は力を緩め、臣の腰をさすった 「2人ともひどかよ…っ注射するとか聞いとらんかった!痛かったっっ」 猛抗議する臣を真尾と奈南の2人がかりでなだめ 「よしよし。痛いことして悪かったね」 「奈南さんのばかぁ」 「ごめんね」 「宵ちゃんまだ、痛い」 「うん、そだね。詩乃、このまま行くよ」 「え?興奮状態だけど?」 「いい。道中で効いてウトウトしだすはずだから」 「ちょっと可哀想な気もするけど…」 「早く抜管してあげたいから急ぐよ」 カーテンを開けると2人は由宇に優しく微笑みかけ、ベッドごと移動を始めた 「ちょ…大丈夫なの?」 カーテンの向こうから聞こえたやりとりにビビりながら由宇は尋ねた。 「由宇ーっ助けて!さらわれる!」 「助けてってどうやって…。早くその尻尾とってもらって身軽になってきてよ。そしたらぎゅってできるし」 「うー…」 「尻尾って…なかなか愉快な表現。ね、先輩」 「よく分からないけど由宇くんらしいんじゃない?じゃ、行ってきます」 「行ってらっしゃいー」 由宇は手を振り3人を見送った。

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