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検査終わり

暴れる由宇と押さえる先生に加勢に入る奈南じゃない方の看護師 血だらけの先生の手袋をはめた手 一部赤く染まったシーツ… 見える光景に臣は入り口で固まった。 「由宇…」 「真尾、至急で検査出してきて!」 「でもこっちは…」 「男が3人いるんだ。ぼうやくらい押さえれる」 「先輩、こっちは任せてください」 「分かった。あと頼みます」 真尾と奈南は頷きあい、奈南は点滴に触れ 「先生、一応補液全開で落とし始めます」 奈南は宣言してから点滴をフルスピードで落ちるように設定した。 「頼む。まだそこまでの量じゃないが、興奮状態で止血のめどが…」 「鎮静剤追加します?」 「点滴の側管から投与しよう」 「はい」 奈南は救急カートから薬剤を取り出し注射器につめると点滴のチューブに注射器を繋ぎ、鎮静剤を投与していった 「…ぁ……ぅ…?」 数分後、由宇はトロンとしだし全身の力を抜いた。 「由宇。ちょっと強い鎮静をかけたから変な感覚だろうが問題ない。そのまま眠くなるから寝ていい。よく頑張った」 由宇の視界はそこで暗くなった ・ ・ 「ふぅ…なんとか終わったな」 汚れた手袋を外し祖父江はつぶやいた。 「予備ベッドと変えましょう」 検査部から戻ってきた真尾の指示で看護師らは動いた 「結果は?」 真尾が差し出した紙を祖父江は見 「朝のほどじゃないが…低いは低いな。本人無自覚というのがな…」 「慣れですかね?」 「モニター要注意で。適宜酸素量あげるように夜勤に申し送りを」 「はい」 すべてが片付き、看護師たちが消え祖父江と臣だけになると臣は由宇に触れた 「寝て…るとね?」 「ああ。心配しなくて大丈夫だ」 「先生?」 「どうした?」 「由宇と一緒に寝てあげてほしか」 「はい?由宇は俺を怖がってるから嫌がるだろう」 「そんなことなか!俺だったら嬉しかもん。由宇だってそうに決まっとーと」 「んー…分かった」 祖父江は臣の熱意に負け、白衣を脱ぎ椅子にかけて由宇の隣にもぐりこんだ

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