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由宇 ラッコ
あたりもすっかり暗くなった頃、由宇は目を開け
「…!」
見えた光景に目を何度も開けて閉じてし驚いた
祖父江先生!?
え…嘘。添い寝?してる…
なんで?
あれ?
やばい…嫌な感じがない
むしろ嬉しいかもしんない
般若のはずなのに…
由宇は手を伸ばし、祖父江の鼻に人差し指で触れた
「ん…由宇?」
すぐに祖父江は目覚め、由宇の頭に手を乗せた
「体はどうだ?」
「よく分かんない…なんかめっちゃ疲れた感はある」
「分かんないか。痛いとことか苦しさは?」
「ない…かな?」
「そうか」
「それよりなんで寝てんの?」
「あー…まぁ、一応そのなんだ…」
「由宇、先生は心配しとったとよ?」
「臣」
「添い寝は俺が提案したと。先生といると安心できるっちゃろ?」
「え…あ〜、、どうかな?」
確かに!
思ったけど…言わない
なんか負けた気がする
でもなんか…いまめっちゃ甘えたい気分
由宇は祖父江の腹に抱きつくように乗った
「おっと…どうした?」
「ラッコ」
「なんだそれ…重いんだが…」
「いいじゃん。ちょっとだけ」
うつ伏せ寝は呼吸が楽と言うし、好きにさせてやるか
祖父江は戸惑いながらも由宇の背中を撫でた。
由宇はにんまりと笑い、祖父江の胸に顔をつけた
それを臣は複雑な気持ちで眺めた
幸せそうでよかったねと思う自分とそうじゃない自分…
由宇が好きだー
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