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臣 複雑な心
「ちょっと袋を持っててくれるか?寝かせる」
祖父江は臣を横抱きにし、袋を看護師に託した
「臣、暴れるなよ?」
「は…ぁっ…先生、どこ連れてく」
「ベッド。興奮しすぎて酸素を吸いすぎてる」
「袋…とって…苦し…」
「違う。袋に入った二酸化炭素を吸いなおすんだ。じきによくなる。落ち着くまでいるから休みなさい」
「先生…ごめん…さい」
「謝らなくて大丈夫」
「俺、由宇が心配…」
「先生もだよ。臣は優しいな。でも、目覚めて臣がまた調子を崩してたら由宇が悲しむぞ」
「ん…。分かった」
話しているうちに落ち着きを取り戻し、臣はほぉっと息を吐いた
表情のよくなった臣を見て祖父江は頬を緩ませ
「そろそろ大丈夫そうだ。看護師のきみ、ありがとう。ここは任せてくれて構わないから他の仕事を頼むよ」
「あ、いやこちらこそありがとうございます。じゃあお願いします」
看護師が消えると臣は、少し考えながら祖父江に話だした
「先生…俺、おかしいかもしれんばい」
「どうした?」
「由宇を見てると…その…ちんちんが形変わったり胸がドキドキしたりすると。由宇も俺も男なのにおかしかよ」
「おかしなことはない。好きに女も男も無いと先生は思うぞ。それよりちんちんがって勃つのか?」
「…うん…」
「いつの間に…」
「つい最近やけん。でもまだ白いのは出よらんとよ」
「白って…精子か?」
「うん。どうしたら出る?」
「あー…それはまた、もう少し元気になったら練習しような」
「今は?」
「だめ。いい子だからもう寝なさい」
「でも…」
「眠るお薬飲むか?」
「や」
「じゃあ、寝れるな?」
「分かった。でも気持ちがたかぶって寝れんばい…」
「やっぱり飲むか?」
「いらない。先生がよしよししてくれたらたぶん眠れるとよ?」
「ん?由宇が好きなんじゃないのか?」
「それはそれたい」
「よくばりだな」
祖父江は椅子に座り臣の頭をよしよしと撫でた
「おやすみ臣」
「先生おやすみ」
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