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臣 プンプン
カーテンの向こうから聞こえる声に臣はシクシクと泣いた
「由宇…可哀想…」
カーテンが開くと臣は瀬谷に
「由宇、泣いとーとね?寝とるっちゃろ?なのに泣いとる…やっぱり先生は怖か!」
「臣。びっくりさせて申し訳ない。睡眠中は痛覚が鈍いはずなんだけどね」
「先生は優しかふりしてすぐ痛かことする!今日は俺、診察せんでもよかっ」
「それは困ったなぁ…こっちの若い先生でもダメかい?」
「せん!お断りやけん消えてほしかっ」
「えと…どうします?」
「仕方ないね。プンプンお怒りみたいだから消えようか」
「いいんですか?」
「あまり興奮させたくないからね。また来よう。またね臣」
「臣くん。えと、またね」
「また、なんてなかもん」
臣は布団をひっつかみ布団の中にもぐり、瀬谷はその様子を見てクスリと笑い
「さ、行こうか」
「え…あ、はい」
リカバリールームを出た。
「周防」
リカバリールームを出ると瀬谷は周防を呼びつけ
「終わりました?」
「んー…由宇はね。臣をちょっと怒らせてしまってね」
「え?怒ってるん?今日なんか嫌がることやる日やったっけ?」
「いや、臣にはしてないよ。由宇の直腸診をしたら由宇が流涙 してね。で、可哀想に思ったらしくプンプンだ。優しい子だね彼は」
「あちゃー…頑固そうやから大変やで、それ」
「だから申し訳ないが、後で聴診して報告がほしい。イレウスチューブを抜いてまだ24時間経たないから心配でね」
「了解です」
「頼んだよ。じゃあ佐渡くん他の子を紹介するから着いてきて」
「はい」
瀬谷、佐渡は病棟へ。周防はリカバリールームへと向かった
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