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臣 暗雲忍び寄る

リカバリールームから出てステーションへ帰ると周防は看護記録をし、病棟の方へと向かった。 廊下を曲がるとすぐ2人に遭遇し、周防は声をかけた 「先生!おつかれです。臣くん、機嫌よーなりましたよ」 「周防、さすがだね」 「いやいや…師長さんがいてたらもっとこうニコニコさしてやれたんやろうけど、俺じゃご機嫌戻すだけでいっぱいいっぱいですわ」 「謙遜しなくていい。助かったよ」 「あの…で、報告なんやけど…グル音、あんまよーないです。微弱で」 「そうか…」 「腸蠕動が弱いとなると…心配ですね」 「何か訴えは?」 「特には無いですね」 「異変があったらすぐ教えてくれるかい?」 「はい」 「それと、今からマーゲンから50cc白湯を流してみて。良さそうなら段階おって増やして、祖父江が出勤次第経鼻栄養再開の予定だから」 「分かりました」 周防はステーションへ帰ると奈南に報告し、白湯を用意しリカバリールームに入った。 リカバリールームに入ると臣の分の白湯の入った注射器と由宇の分の経鼻栄養の袋のついた点滴のようなチューブを机に置き、由宇の体勢を整えた。 「臣くんはちょっと待っとてな?」 「え?うん」 何を待つのか分からなかったが臣は返事をした。 「おし、んじゃ由宇くんは始めてやけど栄養流してくな」 由宇の鼻から出ているチューブに、栄養のチューブをつなぎ滴下速度を調整すると周防は白湯を持ち臣の横へと来た 「なぁに?」 「臣くん、あったかいお水をな、流すで?」 「なんで?」 「なんで…って臣くんも栄養流しとったやん?せやけど最初から栄養やと負担かけるで、まずはお水で腸を慣らさなな?」 「うー…いらない」 「どうしたん?怖いん?」 「うん。また…なったら」 「そしたら先生らがまた治してくれるで大丈夫やで 「周防さん、真白ちゃんは?」 「ん?まーちゃんがなんなん?急に」 「別に。気になっただけ」 「ほんなら後で運動がてら一緒に遊びに行くか?」 「うん、いいの?」 「ええよ」 「やった。周防さんいい人」 「そりゃどうも。はい、流せた。今んところ問題無さそう?まーちゃんとこ行く前にもういっぺん音聞かせてな?」 「分かった」 先ほどよりもさらにご機嫌になり臣は、出て行く周防の背中に手を振った

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