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臣 まーちゃん
「臣くんお待たせ」
「ん」
臣は周防が来るなりお腹を出し、右手でお腹をテンテンと叩いた
可愛ええとこあんなぁ
小児科の時からこんな感じなんやろな
祖父江先生と師長さんが可愛いがるん分かるわ
「もしもし、したいん?」
「あー周防さんまでもしもし言う!この間宵ちゃんと奈南さんにからかわれたとよ。もう小児科じゃなかもん」
「臣くん可愛ええでしょうがないやん?ほら、むくれとらんで聴診器お腹あてるな」
「…ん…つめたい」
「すまんなぁ。でもお腹のがあったかいちゅうことで腸が動いとる証拠やで」
「ほんと?」
「うん、ほんま。ただちょいまだ音が弱いねんな。て、わけで有酸素運動や。散歩行こか」
「うん」
「まーちゃん、いまちょっとケガしとってな驚かんといてや?」
「ケガ?」
「そや。転んでもうてん」
「可哀想…検査は無事終わったと?」
「ん?ああ、泣いとったけど頑張っとったで?」
「じゃあよしよしせんとやね?」
「せやな?臣くん、いい子に育ったんやな?」
「いい子…?んー…分からんばい。俺は思ってるように動いとるだけたい」
周防は臣の腕を取り
「手すりつたって行こうな?」
「おじーさんみたいやね」
臣はベッドから降り周防に支えられて立った
「歩き出し気をつけり」
「うん」
ゆっくりと歩き出し臣は真白の部屋と向かった
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