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大嫌いな黒か注射 2

「奈南さん……」 「んー…いやそうなお顔」 「いやそうなんじゃなくいやなの」 「いやってごねてやめてもらえたことあるかな?無いよね?」 すごむ奈南に臣は視線をそらし 「視線そらさない」 「奈南さん怖かよ…」 「やらなきゃいけないことちゃんとやれば怖くないの」 「う〜…分かった…分かったけん。心の準備させて欲しいけん」 「いいよ、待つ」 奈南と臣のやりとりを周防は感心して見た 「先輩…すごい。てか、怖」 「つけいる隙を見せちゃダメなの。甘えられるとこっちもひるむから」 「勉強になります」 「ねぇ、どっちが打つの?」 「周防だよ」 「大丈夫?できると?」 「一回で無理なら変わるからまずは頑張れ」 奈南は臣の足を縛り、周防に説明をはじめた 「ここ、この血管いけるから」 「はい」 「え…え?足…?足刺す?」 「あと、ここ…間違いなく泣くだろうけど確実にいける。困ったらここ狙って」 「いやー周防さん、助けてぇ」 「助けたいんはやまやまなんやけど、無理なんやで…?俺かて逃げたいわ。ほな、消毒すんで」 「う…ぅう…こわいぃ」 「ほら、臣くん手を握ろう。で…足、動かさないよ?」 「んじゃチクっとすんで?がんばり」 「ひい゛っ…た…ぁっ、痛いよ周防さん」 「堪忍な?でも、一回で入ったで?注入してくからちょっと辛抱な?」 「…っう…っ…や…終わって」 「もうちょい」 「いたい…も、やぁ」 感極まりじわじわと臣は涙を浮かべ、奈南の手を強く握り痛みに耐え 「血管痛訴えるね…漏れてはない?」 「はい。ゆっくりやっとるんやけど…」 「血管弱いんだよね、この子…」 「あと少しやで?臣くん」 「ほんとこれ…好かん…長かよ」 「堪忍なぁ…頭痛なったり気持ち悪なったりしんどくなるでゆっくりやないとあかんねん。よし、入った。おしまい。抜くで」 「…っ。終わり?ねぇ終わり?」 「終わり。止血するな?」 「周防、片付けぼくがするから臣くんのメンタルケア頼むね。絆創膏ここ置いとく。臣くんよく暴れずに頑張れた!偉いよ。周防に甘えていいよ。周防もおつかれ」 奈南は臣から手を離し、道具を引き上げステーションへと戻った。

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