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周防 興奮す
ステーションに戻ると牟呂と遭遇し、浮かれた態度の周防に気づいた牟呂が首を傾げた
「どうしたのさ?雅宗、ご機嫌じゃん」
「しー先輩分かります!?そうやねん、俺ご機嫌やで」
「なんかいいことあった?」
「臣くんが懐いてくれてん!あないに怖がってくれとったのに」
「へぇそりゃよかったじゃない」
「ほんま、めっちゃ嬉しいって」
「興奮してるね、雅宗」
「興奮もするって!臣くんごっつ可愛いいんやから」
「はいはい」
おもしろくなさそうに牟呂が返事を返すと、周防は牟呂の顔をのぞきこんだ
「ん?」
「何?」
「しー先輩妬いてますのん?」
「なんでそうなる…」
「ふふ。安心しぃ。いっちゃん可愛ええのはしー先輩やから」
「も…ばか。何言ってんだよ…職場で」
「へへ。先輩の方は?」
「まーちゃん?」
「うん、そう」
「まだ微熱下がってないんだよ。今日最終7度4分でさ」
「下がるとええな?微熱も続くと地味にしんどいで」
「先生は貧血からの微熱を疑ってるみたい」
「それって…」
「フェジンは小児科でやってた時にあまり効果
「なかったとかで今回は輸血を予定してるって」
その言葉に周防は頭を掻き
「輸血かー。やらしてくれるんやろか?まーちゃん。輸血用の針って採血とかの針に比べて見た目太さ倍くらいあるんやん」
「針は見せないし、祖父江先生が穿刺するから大丈夫と思う」
「その介助、付くんいややなぁ」
「俺だよ。一応受け持ちだし。助っ人で呼ぶかもだけど雅宗がビビらなくても大丈夫」
「はぁ…なんや、最近仕事つらいわ」
周防はでっかいため息をつき、牟呂はその肩をぽんと叩いた。
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