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臣のお悩み相談室
なんやろ…
さっきまでいい気分やったのに、沈むわ
浮かない表情のまま周防は由宇のケアをしにきた。
「由宇くん、お下洗いに来たで?終わったらご飯流しはじめような」
「周防さん…?」
「臣くんごめんな?構ったりたいけど、由宇くんのケアせなあかんねん」
「そうじゃなか…。甘えていい時かそうじゃない時かくらいは分かっとーよ。なんかあったとね?どよーんとした顔してるばい」
「う…。ほんまよう見てんね?自分」
「聞くしかできんけど、話してみんね?」
「え…いやいやそんな、、話せんて。気持ちだけもらっとくでな?おおきに」
周防はカーテンを閉め、由宇のお下の洗浄を始めた
「由宇くん、綺麗しよな?お湯かけるでぇ」
声だけは弾ませながら周防はケアを進め
「おーしまい。綺麗なって気持ちえーな?次、ご飯の支度するで待っとりぃ」
カーテンを開け、臣と目が会うと周防はにぃっと笑った
「臣くんも早よごはん流せれたらええな?」
「周防さん、なんでそげん辛か顔ばしとっと?」
「え…」
「由宇のご飯終わったらでよか。こっち来てお話せんね!」
「んーと…気持ちだけって」
「ばかちんっ」
「ばか…って」
「辛か気持ちは誰かに打ち明けると心が軽くなるとよ?辛いは0にはできんけど50くらいにはなると思うたい」
「臣…くん。おおきに…ええ子やね?」
周防は由宇の経管栄養をスタートし、臣のベッドの端に立った。
臣はベッドの空いたスペースを叩き
「ここ、座らんね!」
「あ、うん」
「聞かせて?」
「っても…どう話したらええんかな?」
「先輩にいじめられた?何か失敗した?私生活?」
「えーと…」
「ゆっくりでいいけん教えて」
「なんやお悩み相談室みたいやな」
「だよ。よく、学生さんのお話聞いたもんたい。奈南さんとお話したこともあるとよ」
「え?どんな?」
「それは守秘義務とよ?周防さんのお話ももちろん内緒」
「そっか。んーとさ、仕事も私生活も充実してんねん。でもな、ここんとこ出勤すんのが辛い」
「え?」
「毎日誰かしらが急変しとったり、怖い処置しとるやろ?もしも…を考えると怖いねん」
「心配?」
「せやな?夜勤もしんどーてな。ビクビクやわ」
「みんなそうなんじゃなか?」
「いや、すっと体がみんなは動くけど、俺は動かれへんねん」
「周防さん」
臣は周防の顔をじっと見て、次の言葉をつむぐため口を開いた。
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