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輸血前採血(クロスマッチ)2

「しーちゃん、祖父江先生は?」 「う…ごめん。連れてこれなかった」 「周防さんにやってもらったらよかよ?」 「はぁっ!?」 想定外の振りに周防は大声を出した 「いやいや受け持ちしー先輩やから。俺は勘弁やで」 「まーちゃんはこの3人の看護師さんならだれがいい?ちなみにステーションに帰れば奈南もいるよ」 「え…えと…まーちゃん選べないよぉ」 「だからね、真白ちゃん周防さん」 「周防さん若葉バッチついてる…怖い」 「head nurseとかchiefバッチが付いとっても上手とは限らんばい」 「臣くん、僕悲しい」 「あ!宵ちゃんのことじゃなかよ?」 「まあいいや。周防、やって」 「うぇっ師長ー」 「情けない声出さないでください」 「だぁー分っかりました!やりゃいいんやな」 周防はバットの中からゴムチューブを取り、真白の腕に巻いた。 「ええ?まーちゃん。動いたらうまく刺したれんから動いちゃあかんで?」 「う…うん」 「真白ちゃんお手手握っとたげるばい」 「臣くん…えと…帰らないのかな?」 「帰らんけんここにいるとよ?宵ちゃん」 「周防やりにくくない?」 「俺はええですよ。それでまーちゃんが頑張れるんやったら。血管見つけれたで消毒するな」 「ん…つめたい」 「ほな行きまーす」 ブスっと針を刺すと真白は臣の首元に顔を埋めた 「やーん」 臣はその頭を点滴のついた反対の手で撫で 「だぁいじょぶだいじょぶ」 「お、まーちゃんえらいやん!ちゃんと採れてきとるでもう少し耐えててな?」 真尾と牟呂は三者を眺め 「臣くん…なんかあやしなれてません?師長」 「だね。あやされ慣れてるからかな?」 「俺らいりませんでしたね」 「まあ午後はそうはいかないと思うよ?」 「祖父江先生でも手こずります?」 「針がねー…今のやつの太さ倍だからきついよね」 こそこそと2人は話し、採血が終わるのを待った 「採れた!抜くなぁ」 「…っ」 「しー先輩、これクロスマッチ出してきてください」 「さんきゅ。行ってくる!まーちゃんよく頑張ったね。えらいっ」 牟呂は検査部へと向かうため部屋から出ていった

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