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マイペースな臣
「臣くん?疲れとらーへん?」
「んー…だいじょぶ。でも、ちょっち眠かね」
目を擦り臣は眠気を訴えた
「そしたらちょっとお昼寝タイムやな」
「うん。真白ちゃん…大丈夫かなぁ」
「祖父江先生いてるから大丈夫やって。臣くんは心配症なんやな?てか友達思い?」
リカバリールームの扉を開け、中に入ると由宇の姿が見え
「ただいま、由宇。周防さん由宇の近くまで押して?」
「ええよ?」
周防は車椅子を由宇に近づけ
「これでええ?」
「うん」
臣は手を伸ばし、由宇の額に触れた
「まだ熱かね。いつ起こしてもらえると?」
「もうちょい落ち着かんとなぁ…熱が下がれば…ってとこなんだろうけど」
「今日、俺お部屋に帰るとやろ?」
「うん、午後からな?」
「起きることになったら呼んでほしか」
「ええよ?その日が楽しみやな。ほな、ベッド行くで?」
「うん。由宇が起きたらいっぱいぎゅっとしてあげるとよ」
車椅子がベッドに横づけされ、臣はベッドに横になった
「周防さん、子どもの時なんて呼ばれとったと?」
「ん?なんや?ニックネーム?」
「うん」
「むーやったで?」
「なんでまじゃなくむ?」
「ねーちゃんが雅季 やねん。せやからむーって」
「なんか可愛いかね!むーちゃんって呼ぶたい」
「は?な、いやいやあかんて。恥ずかしいねんから」
「なんで?可愛いか呼び名やと思うばい」
「俺よりずっと付き合い長い奈南先輩のことは奈南さん、言いよるやん?」
「だって奈南さん、怒るけん…呼べんかった」
「さすがの臣くんも奈南先輩には負けるんやな?」
「宵ちゃんも怒ると怖いけど、奈南さんもっと怖かよ?」
「分かる!まあええや、呼びたきゃ勝手に呼びぃ。ほら、眠いんやろ?おやすみぃ」
「ん。おやすみなさい。むーちゃん」
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