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周防 直談判
「しっかし…相当トラウマになってたであれ。先生、どこにおんねんやろ」
「周防」
「あ、奈南先輩」
「どうかした?眉間にすごいシワ」
「あーいや…なんか臣くんが診察でかなりトラウマ受けたみたいで。グチを聞いとったんすわ」
「トラウマか…だろうね。かなり激しかったから」
「え…居てたん?」
「いやいや…ガラス越しに声だけ聞こえてね」
「先生、いま時分どこにいてるんです?医局?」
「まーちゃんとこいるよ、雅宗」
「しー先輩、おおきに」
隣から口を挟んできた牟呂に礼を言い、周防は真白の部屋と向かった
真白の部屋に入ると眠る真白と、輸血道具を片付けている祖父江を見つけ
「先生、ええです?」
「どうした?周防」
「ちょっと話したいことがあんねんけど」
「分かった。医局でいいか?」
「はい」
医局へと2人で来ると、祖父江は周防にソファを差し示し
「そこ座るといい」
「すんません…じゃ」
ソファに座ると周防は口を開いた
「臣くん…」
「話は臣のことか?」
「せや。受け持ちとして言わせてもらうで?臣くん、辱めを受けたってなげいとるで」
「それで?」
「え?」
それでと返事が来ると思わず周防はたじろぎ
「えと…何したんかよくは知らんけど、寝とるとこ指突っ込まれたって。で、それがトラウマになっとるみたいやねん」
「そうか」
「そうかって何とかならんの?」
「ならんな。診察であって辱めを受けさせた覚えはない」
「ひっどいな…」
「周防、下着をずらせ」
「は?」
「臣に何をしたのかが分からないから腹が立つんだろ?指導だ。教えてやる」
「ちょ…何言って」
「ちょうど治療器具の新製品が届いた。真白がモニターをしたがっていたが…真白にこれはまだ早い。というわけでモニターになってもらおうか?周防」
「意味分からんがな」
「よく言う。その右耳のピアス、お前同性愛者だろう?」
「ピアスの意味…知ってんねや、先生」
「いかがわしいカフェにも出入りしてるだろう?」
「なぁっっ」
周防は次から次へと出てくる祖父江からの言葉に、焦った
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