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でーと
「あ…」
「どうした?真尾」
「寝てますね、臣くん」
「痛い恥ずかしい怖い乗り越えて由宇が起きると聞いたら気が抜けたんだろうな」
「かわいいですね」
「ああ。まだ大人になりきれていないところがいじらしくてかわいいな」
祖父江は臣をベッドに寝かせ、布団をかけた
「目が覚めて僕らいなかったらびっくりしないですかね?」
「メモを残しておけばいい」
祖父江は臣の床頭台からメモとペンを出し
〝また明日な、今日もよく頑張った偉かったぞ 祖父江〝
「これでいい、行こうか」
「はい。これなら喜んでくれますね。行きましょう」
病棟から出て、車に乗り込むと真尾はほっとした表情を浮かべ
「無事終わりましたね、実継さん」
「予定が少しずれたが行こうか?宵」
病院の駐車場を抜け祖父江の車は、高速道路へと向かった
「どこに連れて行ってくれるんです?」
「内緒」
「えーまだ内緒?いじわる。もう寝ちゃう」
真尾は不貞腐れて目を閉じ、寝る体勢に入った
「いいよ、1時間はかかるから寝てな。着いたら起こす」
眠る真尾を起こさないように慎重に運転をし、目的地へと向かった。
しばらくして高速を降り車を走らせると水族館の駐車場へと入り、車を停めた
祖父江はトントンと真尾の肩を叩き
「宵さん?お待たせ。着いた」
「う…」
キョロキョロとあたりを見回し、情報を読みとり着いた場所に理解し、真尾は嬉しくて祖父江に抱きつき
「おっと…宵、嬉しい?」
「はいっ」
「それは良かった。行くか」
「うん。何年ぶりだろう」
「あんまりはしゃぎすぎてはぐれるなよ?」
「そしたら迷子放送で実継さんを探します」
「おいおい。さすがにそれは、、」
「冗談です」
車から降りると祖父江は真尾に手を差し出した
「え…でも」
「大丈夫。知り合いに会うことはよっぽど無いさ」
「ん。じゃあ」
真尾はおずおずと手を伸ばし祖父江の手を掴み、2人は歩き出した
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