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宵さん、大泣き
「…宵、頑張ろうな」
「…実継さん…っんぅ」
真尾は局部を消毒されて、身をよじった
「先輩、危ない。動いちゃだめですよ」
奈南にさとされ、真尾は恥ずかしさを覚え2度目の消毒は動かず我慢したが3度目は少し奥を消毒され、腰を引いた
「…っっ」
「宵、尿道にゼリーを挿れるから気持ち悪いと思うがリラックスな?」
「先生…カテ留置でそれする?」
「普通はしてないな。カテにゼリー付けるだけだが…」
「ふーん…甘やかしてる、、というか先輩がかわいいくて仕方ない感じ?なんかいつもと全然違う。臣くん以上に慎重にやってません?」
「よく看てるな」
「実継さん。なんでもいいから早くしてください…怖いんですから」
「ああごめんごめん。じゃあゆっくり挿れるな」
「んん…ぅ」
「よし、入った」
カテーテルにゼリーを付け、鈴口にあてがうと真尾はますます震え、数cm入ったところで堪えきれなくなり泣きだし、足を動かし手を振り払おうとし、ジタバタと動いた
「…っぅ……や…ぁっ」
「え、ちょ宵先輩、暴れちゃだめ!そんな暴れる?大丈夫だよ、先輩。ごめんね、痛いね、後少しだから頑張れ」
「んっ…い…ったぃ…やぁぁっ!実継さんっ…やだぁーいやぁああ」
だんだんと声が大きくなり子どものように泣きだした宵を見て、祖父江は辛さに顔を歪めたが心を鬼にして留置していった。
こんなに辛い処置は…はじめてかもしれない
知らなかったが…前立腺に近いとこに狭窄部があるのか通りが悪い。
まったく専門外だからよく分からないが無精子の原因はこれか?
「…や…や…そこ痛い…っ」
「痛いな、ちょっと狭いところがあるから、ゆっくり息を吐いて…ほら、宵」
「無理やれない…」
「やれる。ふぅー」
「ふ…ふぅ」
「そう、上手。続けて」
「…っう゛…っあゃっ…やぁあーっっ」
「OK。通った。固定する」
「ひく…っう…っ実継…さん。終わり?」
カテーテルを膀胱内に留置すると、祖父江はほっと胸を撫でおろし、頷いた
「奈南、助かった。無事入った」
「あ、いや…先輩大丈夫?手ぇ離しますよ?」
奈南は手を離すと思わず真尾の頭を撫でた
「?」
真尾はぐずぐずと泣きながら首を傾げた
「…す、すみません先輩に対して。つい。あの…由宇くんの部屋、とりあえず使います?処置室のベッドじゃ静養できない気が…」
「そうだな。そうしようか」
「じゃあ、車椅子取ってきます」
「頼む」
奈南が消えると祖父江は真尾の頭を撫で
「よく頑張りました。泣けちゃったな?」
「うん。実継さん…」
真尾は両手をあげ、祖父江は察して真尾の体を起こし、顔をななめに傾け真尾の唇に唇を付け背中を優しく撫で真尾を労った
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