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錯乱 怖いよ、先生
「由宇…大丈夫と?すごい血だったばい」
「大丈夫やで。瀬谷先生がついとる」
周防は臣を励ましながら部屋へと誘導した。
「鼻は、血がよー出るでびっくりやったな?」
「うん。痛いの嫌いのはずなのになんであげん恐ろしかことしよったとやろ?」
「んー…由宇くんの知らんとこで一週間も経っとって、しかもマーゲン入っとたでパニックになったんやろな?」
「今日由宇にまた会える?」
「会いたいよなぁ?でも、なんとも。会えそうなら連れてったるな。ただ、まだ飲み込みテストもしとらんのに抜いてもうてどうなるんやろ。無理やったら堪忍な?」
「うん」
周防に部屋へと送り届けられ、ベッドに寝かせられると臣は白衣の裾を掴んだ
「むーちゃん、そばにいて、ほしかよ?」
「え?弱ったなぁ…俺、仕事が」
「これもお仕事。でしょ?」
「臣くんには敵わんなぁ。負けた。15時ちょい前までな?委員会があんねん」
「大変やね?」
「ほんま大変」
周防と臣が世間話をしている頃、リカバリールームではー
「やーっっ。触んなっ」
「ちょ、あんまり興奮しないでくれよー。ね、大丈夫だよ、由宇くん」
あやしなれていない佐渡が由宇の鼻を押さえながら悪戦苦闘していた。
「血が止まらないね。数分で効いてくると思うが、鎮静かかってきたら焼こうか」
「マーゲンって入れなおすんです?」
「由宇の状態が落ち着いてフードテストが問題なければそのままでいこう。抜くときは暴れる可能性が…とは予測していたが起きて早々自己抜去は想定外だった」
「先生ーっ瀬谷せんせぇ」
由宇が佐渡を押し退け、瀬谷にすがるように手を伸ばした
「助けて!」
「由宇大丈夫だよ。彼は研修医の佐渡くん。一度由宇のお腹の抜糸で会っている医者だよ」
「知らない、知らないっ」
瀬谷は、佐渡からガーゼを受け取り佐渡を安全な位置に下がらせると由宇を抱きとめ由宇の鼻を押さえて、背中を撫でた
「よーし。よし…怖かったね、由宇」
「う…っう…怖い…」
「泣くのかい?まあいい泣きなさい」
由宇は瀬谷に抱かれて安心して泣いた
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