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レーザー
佐渡が耳鼻科からレーザーを借りてきて到着したころに、落ち着きを取り戻した由宇は瀬谷の胸にボーとしながら顔をつけ、ふぅと溜息をついた。
「どうした?由宇」
「疲れた」
「1週間寝たきりだったからね、体力も筋力も落ちてる。しばらくはいつもと違う感じがするだろうね」
「全然記憶ない…怖い」
「大丈夫。少しずつ元に戻していこう」
「鼻血…止まんない」
「ああ…それなんだけど、ちょっと痛いけど鼻の粘膜を焼こうか?いま佐渡くんが機械を借りてきてくれたから」
「い…や、っ」
「でも止まる気配がない。吸引で粘膜が弱っていたところで無理に引っ張ったからたぶん傷が深い。すぐ済むよ」
「やだ!放っておいたら止まるし」
「佐渡くん由宇を後ろから抱っこして、両手握って」
「はい、分かりました」
「意外とパワーがあるからしっかりね」
「はい」
瀬谷はレーザーを操作し、細い銃のようなものを手にとった
「よし、やっていこうか」
「やぁって、さわたり?さわたり離して」
「ごめん。由宇くんいい子だからちょっとじっとして」
「由宇、顔を動かさないよ」
近づいてくるレーザーの先端におびえ由宇は震えたが、瀬谷は容赦なく鼻腔に入れて内部を焼いた
「ん゛っー」
「いいね。完了、佐渡くん片付け頼むよ」
「はい」
「先生のあほーっ痛かったじゃん!」
拘束が解かれると由宇は鼻を押さえ、怒った
「怒れちゃったかい?ごめんよ、由宇」
怒る由宇の頭を撫でながら、瀬谷は電話をかけた
「少年特殊治療棟の瀬谷です。いま、時間は?ひとり診てもらいたい子がいてね」
〝はーい分かりました。ちょうどいま空きなんで迎いますわね。カルテ見たいんですがなんて言う子かしら?〝
「佐久間由宇くん」
〝分かりました。では後ほど〜〝
電話を切ると、由宇が心配そうに瀬谷を見上げた
「だぁれ?」
「言語聴覚士の先生。変な男だが優しくて腕は確かないい先生だから安心しなさい」
優しげに笑う瀬谷に安心して由宇は瀬谷に抱きついた
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