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言語聴覚士の西門先生
「はーい。お待たせしました。今日も瀬谷先生、いかすわ〜みかちゃん張りきっちゃう」
軽いノリのおかしな口調のKCタイプの若い男の先生がリカバリーにやってきて、由宇の目は点になった
「あなたが由宇くんね?キュートボーイ。あたしはSTの西門帝 よ。みかちゃんって呼んでね?」
「せ、瀬谷先生‥あの先生、大丈夫?」
「うん、見た目もしゃべり方もアレだが、優秀な先生だから気にしないでいいよ」
おかま…おかまだよな、あれ
はじめて見た。口紅付いてるし…
何こいつ、、
「あら〜なんか引いてる?かーわい。じゃ、まず、お口の中に刺激を与えていくわよー。あーん」
「い、いやだ」
「怖くないわよ?ちょっと冷たいだけ。ほら、あーん」
「先生ぇ助けてーおかまが迫ってくる怖いぃ」
「まあ、ひどい。おかまが怖いの?おかまにはいい人しかいないのよ。ほらほらお口を開けて」
「やだぁ」
「あら、上手」
「んー!」
(ちがーうっ)
「ん…っんぅー」
なんか冷たいの口に入ってきたんですけどー
「アイスマッサージって言うのよ。そしたらゴッくんってしてみて?」
西門は聴診器を由宇の喉に当て、指示をした
訳も分からず言う通りにすると
「やーん。いい子。そのまま30秒間で何回ゴッくんできるかしら?やれる?はい。どーぞ」
なんでもいいや。早く終わりたい
このテンション、慣れない…
「ごく…ん、ごくん、ごく…」
「OK!素晴らしいわ。さすがキュートボーイ!由宇くん、好きな味はあるかしら?チョコにいちご、メロン、ぶどうのムースがあるの」
「え?じゃ、じゃあチョコ?」
「チョコね?そしたらお口入れるわよ?あーん」
「あーん」
「いい子ね。もぐもぐゴッくん」
「もぐもぐ…ごくん」
「うんうんいいわ。瀬谷先生。この子ムセもないしいけそうよ」
「形態はおかゆに軟菜くらいなら問題無さそうかい?」
「ですね。じゃあ、あたしは行っちゃうけど頑張ってね〜バーイ」
軽快な足取りで西門は消え、由宇の顔は引きつっていた。
嵐のように来て嵐のように去ってった…
しんどいときにあのテンションは、、きつい
また…会うのかな
嫌かも
「由宇?西門先生は苦手かい?」
「どう対応していいか分かんない…」
「なかなかユニークな先生でしたね」
佐渡は西門のキャラがツボに入り腹を抱えて笑っていた
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