365 / 1208

言語聴覚士の西門先生

「はーい。お待たせしました。今日も瀬谷先生、いかすわ〜みかちゃん張りきっちゃう」 軽いノリのおかしな口調のKCタイプの若い男の先生がリカバリーにやってきて、由宇の目は点になった 「あなたが由宇くんね?キュートボーイ。あたしはSTの西門帝(さいもんみかど)よ。みかちゃんって呼んでね?」 「せ、瀬谷先生‥あの先生、大丈夫?」 「うん、見た目もしゃべり方もアレだが、優秀な先生だから気にしないでいいよ」 おかま…おかまだよな、あれ はじめて見た。口紅付いてるし… 何こいつ、、 「あら〜なんか引いてる?かーわい。じゃ、まず、お口の中に刺激を与えていくわよー。あーん」 「い、いやだ」 「怖くないわよ?ちょっと冷たいだけ。ほら、あーん」 「先生ぇ助けてーおかまが迫ってくる怖いぃ」 「まあ、ひどい。おかまが怖いの?おかまにはいい人しかいないのよ。ほらほらお口を開けて」 「やだぁ」 「あら、上手」 「んー!」 (ちがーうっ) 「ん…っんぅー」 なんか冷たいの口に入ってきたんですけどー 「アイスマッサージって言うのよ。そしたらゴッくんってしてみて?」 西門は聴診器を由宇の喉に当て、指示をした 訳も分からず言う通りにすると 「やーん。いい子。そのまま30秒間で何回ゴッくんできるかしら?やれる?はい。どーぞ」 なんでもいいや。早く終わりたい このテンション、慣れない… 「ごく…ん、ごくん、ごく…」 「OK!素晴らしいわ。さすがキュートボーイ!由宇くん、好きな味はあるかしら?チョコにいちご、メロン、ぶどうのムースがあるの」 「え?じゃ、じゃあチョコ?」 「チョコね?そしたらお口入れるわよ?あーん」 「あーん」 「いい子ね。もぐもぐゴッくん」 「もぐもぐ…ごくん」 「うんうんいいわ。瀬谷先生。この子ムセもないしいけそうよ」 「形態はおかゆに軟菜くらいなら問題無さそうかい?」 「ですね。じゃあ、あたしは行っちゃうけど頑張ってね〜バーイ」 軽快な足取りで西門は消え、由宇の顔は引きつっていた。 嵐のように来て嵐のように去ってった… しんどいときにあのテンションは、、きつい また…会うのかな 嫌かも 「由宇?西門先生は苦手かい?」 「どう対応していいか分かんない…」 「なかなかユニークな先生でしたね」 佐渡は西門のキャラがツボに入り腹を抱えて笑っていた

ともだちにシェアしよう!