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奈南、腹くくります
奈南は困惑しながらも、ステーションに保管してあるさまざまな道具をひとまとめにしたバックを小脇に抱えて真尾の元に戻った。
「先輩、お待たせ…え」
奈南は目に映る光景に驚愕した
小さく丸まって、自分の指をナカに挿れて真尾は自分を慰めていて、奈南が戻ってきたことに気がついていなかった
「…ん…ぁ…っ…」
「先輩…」
奈南はたまらずバックをベッドの隅に置き、真尾の額に唇を付け
「ごめんね」
声を震わせながら謝った。
すると、奈南の存在に気がつき真尾は体を起こし奈南に抱きついた
「せ、先輩?」
戸惑いながら奈南は抱きしめ返し、真尾の背を優しく撫で
「自分で、してたんですね?待たせてすみません」
「戻ってこないかと思った…」
「あの、後悔しませんか?」
「するだろうね。でも、我慢できない。欲しいんだもの」
「祖父江先生に聞いてきました」
「なんて?」
「ぼくとしては先生に戻ってきてほしかったんですけど自分で蒔いた種だと…火を着けたなら消火しろと言われてまた明日と言われました」
「実継さんらしいね?僕と同じこと言ってる」
「長いんですか?先生とは」
「13年…」
「は?」
「だから、新卒の時からずっと。結婚してからの3年はプライベートで会わずに気持ちを封印してたけど…」
「ぜっんぜんそんな素振り…」
「バレないように…と前は頑張りましたけど、もう疲れました。周防、牟呂にはこの間縁あってバラしたところです」
「まさか…2人と体の関係が?」
「さあ?」
「さあって…」
「そんなことより薬で痛くないうちに早く抱いて?そしてそのまま眠らせて?」
「分かりました…その、道具を一式持ってきたんですけどこういうのってイヤですか?」
「イヤじゃないけど、、道具じゃ満足できない。もっとしたくなっちゃう。詩乃はおもちゃプレイが好きなの?」
「好きと言うか…気持ちよくなってくれてるの見るのが好きなんです」
「詩乃、本番経験あるの?」
「あります…」
「おんなのことの経験じゃないよ?おとこのこだよ?」
「はい。どっちもあります。いま、特定の人はいないですけど…」
「恋人作らないの?」
「なんか…本気になれないんで。もう32だしそろそろ身の固め時ではあるんですけどなかなか」
「好きな人いる?」
「う…。先輩ですよ。先輩が好きだったんです。でも勇気なくて悩んでるうちに他人のものに先輩がなっちゃいました」
「そっか。なんかごめん…」
「も、もう大丈夫ですよ?とにかく憧れだった先輩抱けるなんて思っても見なかったんで頑張ります」
奈南はいろいろと複雑に考えるのをやめて目の前の真尾に集中した。
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