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恐ろしかエコー
周防はエコーの先端にゴムをつけると、祖父江に手渡し
「プローブカバー OKやで、はい」
「ん。周防、臣の横について何か話してやれ。また手伝いがいる時は呼ぶ」
「分かりました。臣くん頑張ろな?」
「恐ろしか…」
臣は、ぎゅっと目を閉じ手足を突っぱった
「おーみ」
名前を呼ばれ臣はビクつき
「な、何ね…先生」
「目は閉じない。鬱血する。後、手足に力は入れない」
「だって怖かもん…っ」
「とにかく目は開ける」
「うぅ…」
祖父江の手元を見ないように視線をそらし臣は体の力を抜いた
「上手だ」
「うん。うまいうまい。息を吸ってゆーっくり吐いてや。筋肉緩むで楽に入るですーはーー。すーはーー」
周防の声かけに合わせて祖父江は慎重にエコーを挿入していき
「…ん…んんーっ…気持ちわるいよぉ」
ナカに入ってくる固い感触に臣はぞわぞわと寒気を感じ、唇を噛んだ
「臣くん、唇切れるで噛んだらあかん。痛ない?」
「我慢できる…。でも気持ち悪かよ、これ…ひぃっっ」
ナカでぐりんぐりんと何度もエコーを回され臣は叫んだ
「やぁっ…んっ…コレ、やだぁっ」
「んー…ちょっと頑張ればいけそうか…」
呟きながら祖父江はカチカチとエコー本体を操作し、計測をした。
「OK。サイズがやっぱり少し大きいな。予定通りちょっと頑張ってマッサージして流そうか」
エコーを引き抜き、カバーを捨てると
「周防、ちょっとこれ退けて。そこの冷蔵庫から中に入っているドリンクを臣に飲ませて」
「はい」
指示どおりに周防が対応している最中
ウィーン…
処置1の扉が開き瀬谷が合流した。
「エコーは無事済んだかな?由宇もspo2上がってきたから来たよ」
「由宇…」
「ん?」
臣の呟きに反応して瀬谷が臣の側により
「どうした?だいぶ泣かされたみたいだが、大丈夫か?」
「だいじょばないけん…マッサージはまたがよか。今度は逃げんけん。由宇のとこば行かせて。お願い…」
「んー…」
瀬谷が悩み出すと間髪入れず祖父江が却下し
「悪いが無理だな。周防、後学のために見学をすすめるが耐えられるか?」
「え?俺に耐えれるか聞いとるん?臣くんやなく?」
「そう、おまえに聞いてる」
「どういう?」
「倒れられても対応ができんから見学するなら座ってろ。無理に残れとは言わないが残るならそのつもりで」
「な、なんなん?そんなひどいことするつもりなん?」
どうしたらええ?
どうするのが正解やねんっ
ぶっちゃけ分からん!
怖いから見たないけど、、
せやけど、度が過ぎるようなら止めたらな…
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