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スパルタなんてやぁだっ(泣)

朝9時30分すぎ。爪を切られている最中周防から今日の予定を聞き、由宇はうろたえた 「今日……?え…。決定?」 「決定やで?この後、10時な」 「この後って…30分も無いけど、、」 「せやな。はい、おしまい。綺麗なったで」 「あ…ありがとう」 周防が道具を片付けていると 「雅宗ー、ベッドサイドモニター設置するね」 「おおきに!」 ピッピッピという音がリカバリーに響き、モニターに波形が出ると アラームの調整を牟呂がしていき 「先輩、そんなに下限あげて大丈夫なん?」 「通常時で下限設定すると治療中ずーっとポーンだとかピンポンピンポン、ピロロン鳴るからハードな治療中にモニターするときはちょっとあげないと鳴ってばっかでアラーム解除ボタンばかり押す羽目になって大変なんだよ。 あげすぎは注意だけどさ」 「そうなんや。一個賢くなったわ」 「ま、待って!ここでやるの?」 「せやけど?」 「ステーションから丸見えじゃんやだぁー」 何も始まる前からベソをかき、由宇は目を潤ませ 「処置室行くっっ。どいてっ」 ピンポンピンポン。アラームが反応すると苦笑しながら牟呂は解除ボタンを押し 「はいはい、興奮しないの」 牟呂が由宇の背中を撫で 「恥ずかしいならカーテンかけるからね。もう先生くるし、落ち着いて」 「いやぁっ」 ポーン。アラームが鳴ったと同時に ガラっー、扉が開いた 「何の騒ぎかな?」 「アラーム鳴ってるし、始まる前からご乱心か?由宇」 「だ、だって…っこんなとこでやりたくない」 「それは仕方ないね」 「処置1〜4には中央配管通ってないからボンベ持参になってしまうし、ステーション近いほうが急変時に対応がしやすいからね」 「でも」 「由宇、でももだってもないんだよ?状態を悪くするようなことをしてしまって今日を迎えているんだから受け入れるしかないね」 「瀬谷の言う通り」 「そ、それは理解してるけど、こんなとこでするなんてやだよっ。やるのは納得してたけどなんか違う」 「弱ったなぁ、瀬谷どうする?」 「問答無用。始めるよ。周防、シリンジいいかい?」 「シリンジ?」 「ああ、バルン交換をついでにしておく。そろそろ時期だ」 「了解です。交換用のセットも机に置いときますね。カテサイズって一緒でええです?」 「頼むよ。うんそれで用意して。由宇、おいで」 瀬谷は由宇の側に座り、由宇の緊張を解そうと抱きしめた

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