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親友っていいな

朝から由宇はオーバーテーブルに向かって、勉強をしていた。 そこへ 「由宇くんおはようございます」 「あ…師長さん?あれ?私服ってことは…もしかして退院?」 真尾たち一行が現れ、由宇は鉛筆を置いた。 「その通りです。お先です」 申し訳なさそうに真尾が謝りながら微笑むと 「そんな申し訳なさそうにしないでよ?おめでたいことなんだからさ。ね?」 由宇が困り顔で返事をした 「はい。ありがとうございます」 「すぐ仕事するの?」 「いいえ。少し休みます。またもう少し回復したら会いに来ますね」 「ゆっくり休んで。戻ってきたら勉強教えて?」 「え…でも。僕は看護師なので医者のお勉強は…」 「基礎科目。英語とか、数学。あと、現代文」 「それなら教えれます」 「え、ずるかよ?俺も教えて?」 「まーちゃんも!」 「はいはい。じゃあお勉強会しましょうね?」 コンコン、ガラッー 「あ、いた。真尾、行こうか?」 「祖父江先生っすみません、探しました?」 「少しな」 「なんで祖父江先生?」 由宇は祖父江が出てくる意味が分からず首を傾げた。 「宵ちゃん、祖父江先生にまた送ってもらうと?」 「うん。そう」 「それってどういう?」 「先生と宵ちゃん仲良しやけん、先生が宵ちゃんちに送ったり迎えに行ったりしとるそうばい」 「へぇ、2人親友なんだ!いいねっ。大人になってからの親友って」 「俺たちだってなれるばい。ね?真白ちゃん」 「うん!」 3人は見合って笑った。 しばらくして、場が落ち着いてから祖父江が口を開いた 「そろそろ、行くか?」 「はい、お待たせしました。じゃあ、みんなまた…10日後くらいかな?いい子にね」 「またね、師長さん」 「おめでとう」 「気をつけて行くとよ!」 3人に見送られ、真尾は退院した

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