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宵さん、嫉妬

「宵?どうした?」 固まっている真尾に祖父江は優しく話しかけた どう?と言われてもどう話していいのか分からない… ただ、辛い こんなのははじめてで苦しい… 真尾の目から涙が溢れる その様子に周防はおろおろし 「宵さん…っごめ、やっぱり寝とるうちにすんのは間違いだったやん、実継さんっ」 慌てて祖父江の肘を掴んで揺する周防に祖父江は動じず 「何度となく夫婦交換はしているし、宵は寝とられで燃える方だから大丈夫なはずだが?」 「夫婦交換ン時はそうかも分からんけど、今俺だけやん!目覚めて自分の旦那が他人としとったら辛いやろ」 「宵、辛いのか?」 真尾は静かに頷いた。 「俺、帰るわ」 「雅宗、帰らなくていい…そこまで感じさせられた後に1人で帰るのは危険です」 真尾は極めて冷静に周防をさとした 「宵さん…でも、今は俺が見えたら辛いやろ?」 「いいんです。なんかこんな気持ちははじめてで戸惑ってますけど…別に雅宗を殴ろうとか、もう見たくないとか無いですから。実継さんの言っていることは本当だし、なんで今こんなに辛いのかは分からないけど…たぶん、きみに嫉妬してます」 「そやろな?俺かて逆の立場やったら嫉妬すると思うわ」 「……」 祖父江はしばらく考え、口を開き 「雅宗、隣に客室があるからそっちで休むといい」 「そうさしてもろてええです?」 「別にここでいい!なんで…っ自分の考えだけですぐ動くの…っ」 真尾が突然、叫んだ。 「追いやられる雅宗の気持ちも考えなよ!雅宗は悪くないのに…あなたが悪いでしょ!お仕置きで集まったけど浮気させるためだったの?」 「宵、落ち着いて」 「落ち着いてます!」 「宵さん、おおきに。俺やったらそんな優しいこと言えん。客室使わせてもらうで宵さんは実継さんにいつも以上にめぇいっぱい甘えさせてもらえばええと思う。ちょい休ませてもらいます」 周防は立ちあがると 「落ち着いたら食事にしよう」 「はい、じゃあまた後で」 祖父江は食事を誘い、隣室に消えていく周防を見送った。

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