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宵さん、実継さんのはじめての日 2

「あ…す、すまない…つい」 「びっくりした」 真尾は目をパチクリさせ、自分の唇を触り驚いた 「えと、怒らない…のか?」 「先生どうしました?酔って彼女と勘違い?」 「いや彼女はいない。というか…言いにくい話だが俺は男が好きなんだ」 「ふーん」 「ふーんって軽蔑しないのか?」 「別に男だろうと、好きなものは好きだから仕方ないと思います」 「いい子だな?」 「でも、なぜ僕にキス?男なら誰でもいいの?」 「そうじゃない。きみを抱きたいと感じたから。正直言うとはじめてあった時から惹かれてる。すまない」 「なぜ、謝るの?」 「気持ち悪いだろう?」 「嫌悪感はないですよ?だけど彼女がいたこともないし、好きとかそういうのはよく分からない」 「経験…もしかしてないのか」 「なくて悪いですか?」 「いや…むしろいい」 どうしたらいい?このチャンスを逃せば次は無いかもしれない でも 怖いとか痛いとかを感じさせたら二度と会ってくれないかもしれない シャワーを止め、真尾の身体を拭きながら祖父江は段取りを考えた 一生に一度のはじめてだ。 気持ちよくなってもらいたい 「祖父江先生は介助が上手ですね?」 「そうか?」 「はい。安心感があります」 「こっちへおいで」 祖父江はドキドキする気持ちを隠しながら真尾の手を引きベッドへと誘導した 「いま、お茶を持ってくる」 「ありがとうございます」 お茶を飲み一息ついたあと、祖父江は真尾を押し倒した 見上げてくる真尾のまつ毛は長く、その目に惹かれた かわいい 貫通の辛さに泣かせるかもしれないと思うとたまらなく興奮する自分がいたが、できれば痛みよりも快感で泣かせたいと思う自分がいた。 「先生?」 「実継。こういう時は下の名で呼ぶんだよ、宵」 「実継…さん?」 「そう。よく言えました」 祖父江は微笑みながら真尾の頭を撫で、褒められた真尾は幸せな気分になり微笑み返した

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