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由宇、尿路感染
少年棟では臣の摂食機能訓練が始まっていた
「ほーら、臣くん。お口をあーん、冷たい棒でお口をマッサージよ」
おねぇ言葉を操る西門帝STが臣の食事再開に向けてトレーニングしていたが、
臣は不愉快そうな顔をしていた
「いやぁ…気持ち悪か!変な味っ」
「あらあら頑張りましょ?」
「頑張っとーたいっ」
「じゃあ、今日はおしまい。頑張ったから一緒に由宇くんに会いに行きましょうか?」
「うんっっ」
臣は西門の提案が嬉しくて不機嫌さをふっとばして一気にご機嫌になった
「ふふ。かわいいわ。臣くんはほんとに由宇くんが好きなのね」
「かわいかもん。好いとーと」
「そうね。じゃあ行きましょう」
・
・
「由宇ーっ」
「臣じゃん!いらっしゃい」
「んー?なんか元気なか?」
「え?そんなことないけど」
「嘘。調子、いつもより悪かやろ?」
「大丈夫って。変なこと看護師さんに言わないでよ?面倒なことになるから」
ぶっちゃけ臣の言うとおり調子は良くないんだよな。
なんか腹とあそこが痛いし、若干寒い…
嫌な感じ
「由宇…おでこ」
臣はベッドに片足を乗り上げ、由宇の額に自分の額を重ねた
「んー…なんかやっぱり熱かよ?」
「あら?ほんと?じゃあ伝えてくるわね」
「えっちょ!おねぇ先生っやめて」
「だめよ?ひどくなってからじゃ対応に困るもの」
有無を言わせず西門はステーションへと戻った
すぐにリカバリーに体温計片手に周防がすっ飛んできて由宇の脇に体温計を乱雑に挟んだ
「痛い〜」
「調子悪いのになんで言わへんねんっ。辛いのひとりで我慢すんのますます辛いやろ!ちとは甘えっっ」
「怒んないでよ、周防さん」
「由宇、むーちゃんは怒っとーやなかよ?心配できつくなっとるだけばい」
「だって甘えたとこでよくなんないし」
ピピピー
「38.3…まだ上がりそうやな」
周防はチラッとおしっこの袋を見
「出が悪い…由宇くん、ごめんちょっと腰、叩かせて」
いい終わるやいなや周防は由宇の腰を叩いた
「い、痛い。響くからやめてー」
「あー…マジか。ちょっとお下ごめんな?」
周防は管の入っている部分を触り、瀬谷に連絡をかけた
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