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由宇、尿路感染 2(膀洗)
瀬谷は周防に連絡を受けたあとおしっこの管の挿入部を見、管を触り考えていた。
「詰まりかけてるな…尿路感染から腎盂腎炎も起こしてるし…由宇、今晩は辛い夜になるぞ」
「そんな予言しないでよ。先生」
「周防、膀胱洗浄の用意。生食500で頼めるかい?」
「分かりました」
「何それ…俺、何されんの?」
怯える由宇の手を握り、臣は
「側にいた方がよか?こうやって手ぇ握っとったら怖くなかよ?」
「で、でも…」
「んー…おってもええけど、先生の邪魔にならんようにな?」
「はーい」
「臣、いいの?」
「よかよ。由宇はもっとみんなに甘えた方がよかと!甘え方を知らなさすぎばい。今からやる処置終わったらちゃんと瀬谷先生に甘えるとよ。そしたら先生もよしよししてくれるけん。ね?先生」
「そうだね。頑張ったらぎゅっとしてよしよししようか?」
「う…うん」
先生からの提案に恥ずかしくなってきて由宇は頬を染めた
「あ、照れとる!由宇が照れとるとよ。かわいか」
臣はガバっと由宇に抱きつき、かわいいかわいいと繰り返した
「臣、苦しっ」
「へへ。ごめん。由宇やっぱり熱かね」
「じゃれとるとこすまないが始めるよ」
処置が始まると、その不快さに由宇は涙を浮かべた
「んぅ……気持ち悪いぃ」
「すまないね、由宇。ちょっといやな感じがするね」
「ちょっとじゃない…これ、めっちゃ気持ち悪い」
「もう少し。これでうまく流れてくれれば目的達成だから」
「由宇くん、頑張りぃ」
「交換時期まだやのに交換になってまう」
「え…や…やだぁっ。交換…って…もうあの棒はしたくないーっ」
「あ、ちょっと…暴れんといてー」
「さすがに今日はブジーはやらんて」
瀬谷が人差し指を横に振り、にっこり笑い
「交換するならやる。今日を逃れたとしてもいずれはやる。後は前立腺のチェックもね。そっちからの熱の可能性も否定できないし」
「いや…熱で辛いのになんで…っ」
「熱が出てるからだよ、由宇。原因を調べないと治療の方向性が決められない」
カタンと音を立てて、洗浄の道具を置き瀬谷は息を吐いた
「どうするか…。周防、祖父江の所在分かるか?」
「まーちゃんの輸血、付き添いしとるはずやけど…」
「そうか。呼んできて。相談がしたい」
瀬谷は周防に、祖父江を連れてくるよう依頼し不安そうな由宇と臣にそれぞれに笑顔を向けて2人の頭を撫でた
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