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由宇、直腸診に泣く

「い…いた…っ…痛い…ひぐっ…い゛っやあぁあーっ…はぁ…はぁ……やぁ゛っまたーっ」 時折、数秒の休みを挟みながら瀬谷の執拗なマッサージは続いた。 由宇のしがみつきによって祖父江の腕に爪跡がつき、祖父江は顔を歪めたが由宇をとがめずに励まし続けた 「由宇、上手だ。足もちゃんと開いたままにできてえらいぞ。あと少しだから頑張れ」 「先生…祖父江先生っ。痛いっ」 「痛いな…痛いよな?あと少し耐えて。おまえなら耐えれる。瀬谷も心を鬼にして由宇が耐えれるギリギリのところをせめてきてるから、おまえも頑張れ」 「頑張ってるーっ゛」 「だね?よく頑張ってくれているよ。由宇の声が聞こえて真尾師長がそこで見守ってるよ」 言われて、扉を見るとちょこんと顔を出して真尾がのぞいていて、由宇は涙をこぼしながら真尾に助けを求めた 「師長…さん?ぐす…ったす…けてっ」 「ごめんね、由宇くん。尿路感染からのお熱なのか前立腺からのお熱なのかはっきり分からないからひとつずつ原因潰していきましょうね?」 「いやぁ…いや…っ」 「実際のとこどうなんです?瀬谷先生。可哀想なくらい声が響いてますけど…」 「んー…ひとつやりたい検査があるんだけど、ちょっと人手がいるかもしれないから…迷ってる」 「何人?」 「4人…かな。介助も含めれば5…だけど。拘束ベルト使えばそんなにはいらないかもしれないが…悩んでる」 「そんなに!?」 「瀬谷、何をするつもりだ?処置1に行くような検査か?」 「スィストスコピー」 「僕は…付き添いの自信が無いのでごめんなさい…っ」 真尾は聞くなり青ざめ震えた 「震えてる場合じゃないよ?真尾師長。尿路結石繰り返すようなら、きみもしなきゃいけないんだから」 「瀬谷、脅さないでやってくれ」 「事実だからね。今回は自然排石されたからよかったが…」 「僕のことは…とりあえず置いておいて、、膀胱鏡は軟性?それとも硬性?」 「硬性」 祖父江と真尾は顔を見合わせて、苦痛に歪んだ顔をした。

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