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スィストスコピーはじまる

「前処置はできたかい?」 「ああ。ペニスクレンメで閉じてある。そこに座らせればいいか?」 「うん、そうして。祖父江は頭側について。周防、牟呂悪いが由宇の足にベルトを…」 「拘束…するんです?」 酸素ボンベに手を震わせながら酸素チューブをつけると真尾は瀬谷の様子をうかがった 「ああ、万が一暴れて大出血…ってことも考えられるからな」 「そう…ですか。あの…僕はこれで。もし何かあるようなら連絡ください」 「ああ、頼むよ」 真尾が消えると周防と牟呂は由宇のバイタルをとり 「KT38.0 BP140/85 P103 spo2は酸素投与1リットル下で97%です」 「急激な血圧変動に注意で。検査台、形態変えるよ。停止したらドレープと足袋を」 「はい」 穴の開いた緑の布の穴の部分を由宇の陰茎に合わせて敷き、由宇の両足に袋をかぶせた 「まずは導尿して残尿を出すよ。消毒綿球を」 慣れた手つきで由宇の陰茎の鈴口を消毒し、導尿カテーテルを受け取るとするするとナカに押しこんでいき、狭窄部を抜けようと力を入れると 「んっ…」 由宇が声を漏らし、ベルトで固定され動かぬ足を震わせた だんだんと痛みが襲い、由宇はおかれている状況が理解できずにうろたえ、手で空中を切った 「や…やぁっ…痛い…何?」 周りを見わたしてもピンと来ず、ただ不安に涙を浮かべた 「怖い…っ、どこ…っや。だ。動けないっ」 「落ち着いて、由宇…怖くない。大丈夫だ」 「せ…んせ?」 「そう、先生だ」 「怖いよ…ここ。降りたい」 「ごめんな。いまは無理」 祖父江は由宇の頭を撫で、空を舞う手を握り由宇の額に口づけた。

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