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由宇、緊急輸血2

タタターっ 「師長ーっ」 「こら、周防!廊下は走りませんっ」 真尾はその場に立ち上がり、周防に注意を促した。 「すんません…っそれより、緊急です」 「何?由宇くんに何かあった?」 周防は事の顛末を話すと、真尾は椅子に座りこんだ 「なんてこと……意識レベルは?」 「今のとこ低下ないです」 そんなところから大量出血とか…恐怖すぎます。 それで…意識保ってられるとか…由宇くん、すごい 「師長、俺のせいです…きっちり拘束せんかったから」 周防の言葉に真尾は師長らしく優しい笑顔を向け 「覆水盆に返らず。過去よりもいまどうするかですよ」 真尾は電話を手に取り 「B型rh +を2単位で。ええお願いします。周防、検査部に取りに行ける?」 「分かりました」 ・ ・ 「ダブルチェックお願いします」 「うん。佐久間由宇くん10月10日産まれB+。ロット番号OK」 「10月10日…もうすぐやんな」 「ちょっと…それまでの退院は厳しいかな。臣くんもお誕生日近いし、お誕生日会くらいはしてあげたいけど…許可がおりるかな」 「おりるとええですね!2人とも喜びそうや。そのためには元気になってもらわな。行ってきます」 「頼むよ」 「はい!」 周防は輸血セットを持ち、処置1へと急いだ いつもどおりの元気を取り戻した周防が見えなくなってから真尾は 「頑張れ…由宇くん。うまくいきますように」 ひとり呟き祈った ・ ・ 「周防、戻りました!ダブルチェックできてるんで、滴下すぐいけます」 「ありがとう。準備する。周防、手を握るの変わってくれ。針は俺が刺す」 「お願いします」 祖父江に変わり由宇の手を繋ぐと、由宇は完全に心が折れていて情けない声をあげた 「や…やぁあん」 「由宇くん…怖いなぁ。訳分からんよな?痛いし気持ち悪いしな。先生たち頑張ってくれとるで大丈夫やからな?」 「帰りたい…帰る。ここ、もうやだ…っ」 「せやな」 「周防、そのまま由宇の手を持ってて」 「あ、はい」 「血管が出てこないから手背狙う」 「え…えー…ほんまに…?輸血で手背行くん?」 「しっかり押さえてろ」 「分かった。いたたまれんわ…18ゲージ針を手背とか…」 「由宇、冷たいぞ」 「や…やぁ…」 「ごめんな、痛いよ」 「…!っい゛っ…た゛ぃ…そんなデカい針入んない」 「大丈夫。暴れない……ほら、入った。よく頑張った。5分おきにバイタルとって」 「はい。じゃあ先生、由宇くんの手返すで」 「ん。由宇、いま血が入ったから少し楽になる」 「今日は抱っこで寝る…」 「分かった分かった。朝まで付き合うからもう少し頑張ろう」 「祖父江、ペニスクレンメをうまく使って抜けないだろうか」 「なるほど…いけそうだ」 2人は顔を見合わせて頷きあった

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