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臣、喘息

「臣くん!しっかりっ。大丈夫だよ、もうすぐ祖父江先生くるからね」 牟呂は咳き込む臣の背を撫で励ました 「ゴホゴホ…苦し…っぜーぜー」 臣はオーバーテーブルに置かれた枕に突っ伏して、 その苦しさに涙を浮かべながら咳き込みぎゅっと両手を握って、耐えた ガラー 扉が開くと、祖父江が中へと入り 「臣っ!」 臣の名を呼び、駆けつけた 「せ…せぇ…来るの遅かよ、息…できな…い。助けて…ゴホゴホっ」 「臣、大丈夫だから。落ち着いて。体勢そのままでいいからちょっと胸の音聴かせて。吸って…吐いて…そう」 聴診をすると、牟呂の方へ振り返り 「いつから?spo2は」 「巡回でここに来た時からなんですけど…喘息でしょうか?spo2 90%です」 「おそらく…90か」 「発症が急ですね。10月入って冷えだしたからでしょうか?」 「詳しくは調べないと分からないが…とりあえず、採血と発作止めの点滴…ソルコーテフ投与しようか。後、酸素1リットルから開始で」 「はい。用意します」 牟呂は言われた通りの道具を用意し、臣に酸素マスクをつけた 「ちょっと呼吸が楽になるよ、臣くん」 「はぁ…はぁっ…しー…ちゃ」 「臣、落ち着いて。ゆーっくり鼻で吸って口から吐く、繰り返して」 「う…うん。けど、上手にやれん…」 「大丈夫だ、上手にできてる。牟呂、臣の採血するからちょっと手伝ってくれるか? 「はい」 祖父江は臣の血管を探すと、手首の上を縛り針を臣に刺しながら 「臣、痛いけど我慢な?」 優しく声をかけた。 「ん…なんでもよか。んんっ…い゛…た…」 「よし。いい子だ。ちゃんと入ったからな」 祖父江と臣が話しているうちに、牟呂は採血スピッツを繋げて採血を進め全て採り終えると、点滴を臣に繋げ 「滴下OKです」 「はじめて使う薬剤だからバイタル適宜頼むな」 「はい。とりあえず、ラボに検体出してくるんでここお願いします」 「分かった」 牟呂がラボへと向かうと、祖父江はベッドの端に座り臣の背を撫でた

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