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甘えん坊臣
「ゴホ…う、ゴホゴホ…せん…ヒュー…せ」
「よしよし、辛いな。辛いのはよーく分かったからもう喋るのはやめような?喋ると気管支を刺激するから喋らず深く呼吸することだけ考えて」
「んーんっできな…っぃ」
臣は首を横に振り、真っ赤に腫らした目で祖父江を睨むように見た
「俺、ちゃんとやっとーとよ!けど、苦し…止まらん…っも…やっ」
「臣、興奮しなくていい大丈夫。じきに点滴が効くから」
「ふぇーっ」
臣は振り返り祖父江に抱きつき、すがった
「あんまり泣くな、不安だよな?でも、余計に苦しくなる」
「不安やけん先生に甘えたかよ!先生っ…ゴホゴホ…ぎゅっとしてくれたらよくなるけん。ぎゅっとしてほしか…っ」
「はいはい、甘えん坊。ぎゅっな」
「ん…っふ…っぇ」
臣は心が折れそうだったが、祖父江に抱きしめられて嬉しさに涙をこぼした
「すき…先生、すいとーよ」
「よしよし、ありがとうな。臣?ところで夜はここで平気か?」
「独りは怖かよ。前みたいに由宇のとこ行きたか。だめ?」
「ああ分かった。そのように準備してもらおうな?」
「先生、由宇と寝たいけん…ベッドくっつけれんと?」
「ん…んー、、それは…前例が無い…それに由宇はいま40度出てるから、安静にしてやりたいんだが…」
「40…由宇、死んじゃう」
「大丈夫だ。そう簡単に殺すな。どうするかはまた病棟スタッフと相談するな?さ、ちょっと静かにして休みなさい、臣」
「分かった」
臣は祖父江に抱きついたまま目を閉じ、祖父江は臣がお昼寝するまで、その、背をトントンと叩いた
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