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手を繋いで
祖父江と真尾は他の業務に戻り、由宇は牟呂と佐渡に見守られながらベッドに仰向けになり、臣は由宇の方を向き、横たわり由宇の左手を握っていた
「佐渡くん、これ…本来あり得ないからね?見なかったことにしてくれるかい?基本は患者さんのプライバシーに配慮して…でこんなオープンではないからね?」
「はい」
「じゃ、処置してくよ。消毒を」
「や…優しくして…っ」
消毒と聞いて由宇は声を震わせ、表情を歪めた
「分かった。優しくするから力を抜いて。臣の方を向いてリラックス。何かお話ししてるといい」
「うん」
「由宇。祖父江先生にワガママ言ったらベッドくっつけてくれたとよ。前は遠かったのに今回はすぐに手を繋げるたい。嬉しかね」
「そうだったんだ。さんきゅ…んっ…ん…ふぅ…」
「カテ、ちょっと多めにゼリーつけて。うん、それくらい」
「俺、祖父江先生も好きっちゃけど…由宇も同じくらい好き」
「んぃ…っい…ゃ。臣…ぃ」
「由宇頑張れ」
「よし、出たね。由宇、頑張った。臣もありがとう」
「終わったって!よかったね由宇」
「うん…痛かった…」
「すごいすごい頑張った頑張った。偉かよ?由宇。ね!瀬谷先生」
「ああ、よく頑張った。臣もありがとう」
瀬谷はポンポンと由宇の頭を撫で微笑むと、由宇を労い、服を整えて布団をかけた
「ちょっと2人でお昼寝するといい」
「うん」
2人は、そのまま手を握りあってお昼寝をした
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